西安・唐皇城墻含光門遺跡博物館(城壁内博物館)をのんびり歩く【前編】

西安へ10回以上行って分かった本当に行くべき観光地でも紹介した「城壁」。

現存する城壁は明時代に造られたものですが、その城壁上を歩いているといきなり博物館のような入口があったので、恐る恐る入ってみました(城壁上からは無料で入れます)。

入ってみると館内は、遺跡を囲んで造られたシンプルな造り。その2階建て通路目一杯に展示品が陳列されていました。何とも中国らしい…

この博物館は、含光門という門の修復中、唐時代の長安城皇城の城壁跡と水利設備が発見されたために造られたものだそうです。

兵馬俑博物館みたく発掘しながら展示する形のようで、実に合理的な博物館。博物館内は涼しくお手洗いもあるため、城壁の散歩に疲れたらここで休むのもアリだと思います。立地はイマイチですが。

皇城の城壁跡といわれても、城壁のどの部分が出土しているのか、素人の私が見ても形が予想できず全体像が見えてきません。

断面図を見てもイマイチよく分かりませんでした。ただ、煉瓦を積み重ねて造られた唐時代の巨大建築物が、今の時代にまで形を残していることに驚嘆。当時の建築技術の高さが怖い。そして、遣唐使時代に造られた建物と対面している自分が信じ難い。

西安に渡った、阿倍仲麻呂や空海もこの城壁を見たのでしょうか?煉瓦の細やかな積み重ね方は、唐の建築技術の高さだけでなく、長安が当時世界最大の都市であったことを象徴するかのよう。

なぜか、安定門。

何と記載されているか不明ですが、城壁関連のことだと思います。

沖縄のシーサーを想像させる建造物。おそらく復元品ですが、これが長安城皇城の城壁に付いていたのなら、沖縄はこの時代の唐文化にかなり影響を受けていたといえます。

こちらも。

大兴善寺は、今は大興善寺とよばれています。これはいつの時代に撮影された写真なのか不明。

西安・興慶宮公園をのんびり歩くで紹介した興慶宮は唐時代に造られた宮殿で、玄宗皇帝時代に政務が行われたとされる場所です。

ただ、現在は建築物はなく跡地に興慶宮公園があります。この写真は、その公園が造られる前に撮られた写真のようです。

木製の柱のようなもの。皇城城壁の一部でしょうが、木製というのが気になります。

こちらも同様の疑問が。城壁における役割が気になります。

この博物館は城壁の端にあり立地に問題があるためか、館内には観光客が数人しかいませんでした。長時間、遺跡と同空間にいるのは好みませんが、1300年以上も前の建造物を身近に見れる機会は貴重なので、引き続き鑑賞していきます。

長くなるので、続きは西安・唐皇城墻含光門遺跡博物館(城壁内博物館)をのんびり歩く【後編】へ。