パリ観光は観光客が少ない11月が最適、ルーブル美術館【前編】

パリには多くの美術館がありますが、その中でも特に有名なのが「ルーヴル美術館」だと思います。

ルーヴル美術館は、フランス王家の宮殿であったルーヴル宮を美術館にしたもので、主に紀元前から19世紀頃までの美術作品30万点!!を所蔵・展示しています。

ただ、最近では所蔵作品が増えすぎてしまい、いくつか別館を建設するほどになっていますが、

それなら世界各地から略奪した美術品を返還すればいいのに…と思ってしまいます。

そんな世界最大級の美術館ですが、その作品の多さゆえに全ての作品を鑑賞するには、最低でも2週間は必要だと思われます。

ルーブル美術館入口は、チケットを正面入口(ガラスのピラミッド)で買って入るのが一般的なようですが、大抵混雑しています。

それゆえ、「パリ美術館共通パス「パリミュージアムパス」」を事前に購入にしておき、ミュージアムパス専用入口から入るのがおすすめです。圧倒的にスムーズに入館できます。

美術館のガラスのピラミッド真下は、インフォメーションやトイレがある広場になっていて、ここで館内図などをもらえます。

迷ってしまうほど広い館内ですが、とりあえず主要作品から鑑賞し、時間に余裕があれば館内図で観に行くのがおすすめです。

まずは、レオナルド ダ ヴィンチの「モナ・リザ」を観に行きましょう♪

多くの人がモナリザに向かって歩いていくので、付いていけば見ることができます。

ちなみに、ルーブル美術館ではフラッシュなしの写真撮影は許可されているため、記念に撮影しておくのもいいと思います。

人だかりが出来ているのが、「モナ・リザ」です。

他の絵画とは異なり、2重強化ガラスなどの頑丈な防犯対策がなされています。

私のカメラ性能が良くないのと、絵が小さいこと、ガラス越しであることで上手く撮れませんでしたが非常に神秘的な絵でした。

他の部屋は、至るところに作品が展示されているため、いっぺんに観ようとすると相当疲れます。

そのため、椅子などで休憩しながら、少しずつ見るのがお勧めです。

ルーヴル美術館には、二大美女と呼ばれる女性がいるといわれます。

1人が先ほどの「モナ・リザ」で、もう1人がこの『グランド・オダリスク』に描かれている女性だそうです。

この絵画を描いたのは、ドミニク・アングルという画家で、1814年に完成させました。

「オダリスク」とはトルコのハーレムのことで、91cm×162cmにも及ぶ大作なので「グランド」とつけられているそうです。滑らかな肌は見る者を圧倒するほどで、“ルーヴルの美の化身”と呼ばれる傑作といわれます。

こちらは、1493年にアルブレヒト・デューラーによって描かれた「自画像、もしくはあざみを持った自画像」です。

この自画像は、ドイツにおける従弟修行の旅の晩年に当たる当時22歳の時に制作されました。画家が手にしたあざみは、自らの婚約者アグネス・フライへの夫婦の忠誠の証拠、もしくはキリストの受難(特に荊冠のとげ)の暗示と考えられています。

こちらは、フェルメール「レースを編む女」です。1670年頃に描かれた作品だそうですが、絵の題名は知らずとも見たことがある人が多い作品の1つかと思います。

ルノワールは、ルーヴル美術館に1870年に収まったこの傑作を、同じくルーヴル所蔵のヴァトーの《シテール島の巡礼》と共に、世界で最も美しい絵画と称していたといいます。

小ブルジョワ階級に属すると思われる一人の若いレースを編む女が、身をかがめて、作業台の上で糸巻き、留めピン、糸を熱心に操っている様子が描かれています。オランダ文学や絵画の中で、幾度も扱われてきたレースを編む女の主題は、伝統的に家事をする女性の美徳を描くものでした。前景に見受けられる小さな本は、確かに聖書であり、絵画の持つ道徳的かつ宗教的解釈を強調しているといわれています。

こちらは、ダニエル・セーヘルスドメニキーノの絵画に花飾りを描いた「愛の勝利と花飾り」です。

年代は特定されていないようですが、可愛らしい絵が印象的だったため、撮影しました。

こちらは「トルコ風呂」という絵画で、「グランド・オダリスク」を描いたドミニク・アングルの1862年の作品です。

ドミニク・アングルは、裸婦のモティーフとオリエントのテーマを結びつけたハーレムの場面を描くことで、官能的な作品を生み出しました。18世紀初頭にイスタンブールで女性専用の浴場を訪れたモンターグ女侯爵が、その時の様子を記した書簡に想を得ているといわれています。

ジャック ルイ ダヴィッドの「ナポレオン1世の戴冠」です。

同じ作者で、ヴェルサイユ宮殿にも類似絵画があります。どちらも巨大な絵です。

この絵は、1804年にパリのノートルダム大聖堂にて行われたナポレオン・ボナパルトの「戴冠式」の様子を描いた歴史画です。冠を授けているのがナポレオンで、授けられているのが、妻ジョセフィーヌです。

「戴冠式」とは、新たに即位する皇帝が、ローマ教皇から「あなたを皇帝として認めます」と冠を授かる儀式のはずです。それゆえ、本来であれば、授けてもらう側のナポレオンがローマへ出向いて教皇を訪ねるところですが、ナポレオンはローマ教皇をパリまで呼び寄せたうえ、教皇から冠を授かるどころか、自分で自分の頭に冠を置きました。

それは、ジャック ルイ ダヴィッドが、自分で冠をかぶるナポレオン像を描いたことから事実だと分かっているのですが、教皇から奪った冠を自分で頭に載せる図は、あまりにも挑戦的・独裁的で、後世に残す絵画としてはふさわしくないだろうという判断のもとに、最終段階で修正され、ローマ教皇を背にした形の絵画となったそうです。

ベラスケスの「王女マルガリータ」です。

まだ写真のなかった時代のヨーロッパでは、王女たちは幼いころから絵のモデルになっていました。スペイン・ハプスブルク家の王フェリペ4世の長女マルガリータ(1651~1673)がそのひとりでしたが、15歳でマドリードからウィーンに嫁いで、オーストリア・ハプスブルク家の神聖ローマ皇帝レオポルド2世の妻になり22歳の若さでこの世を去るまで、歴史に大きな足跡を残した女性ではありませんでした。

しかし、美術史上屈指の大画家ディエゴ・ベラスケスに少女時代の肖像画が描かれたために、後世の記憶に刻まれることになりました。彼女の肖像画はベラスケスひとりの描いたものばかりでなく、ベラスケス工房の制作によるものもあり、現在計7点が残っています。

ルーヴル美術館にあるこのマルガリータの肖像画は、3歳から4歳にかけてのもので、1番かわいいマルガリータ像であると言われています。この絵には、かの有名なルノワールも魅了されており、ルノワールの少女像の数々は、ベラスケスの模倣からはじまっているとも言われています。

これは、1855年にアリ・シェーフェルが描いた「パオロとフランチェスカ」です。

ラヴェンナ出身のグイード・ダ・ポレンタの娘であるフランチェスカは、政治的な理由で不具のジョヴァンニ・マラテスタに嫁いだのですが、義弟である美男のパオロと恋に落ちてしまいます。湖のラーンスロットとグィネヴィアの禁じられた恋の物語を読んで感動した2人は、接吻を交わしますがそれを目撃したジョヴァンニは、剣で2人を殺めます。

パオロが、ヴェールで顔を覆い、フランチェスカの悲痛な話に打ちのめされているのに対し、より脆いフランチェスカが、愛する者の絶望に苦しんでいることを告白し、心動かされる様子が描かれています。同時に、右側では詩人たちが影の中に佇んでいます。

作者不明のこの作品は、「ガブリエル・デストレとその姉妹ビヤール公爵夫人とみなされる肖像」という作品で、1594年頃に完成した絵といわれています。

描かれているモデルは、アンリ4世(1553-1610年)の寵妃ガブリエル・デストレ(1571-1599年)と、おそらく彼女の姉妹の一人であるヴィヤール公爵夫人、もしくはバラニー元帥夫人と考えられています。

ガブリエル・デストレの右の乳房をつまむ、若い女性の愛情のこもった一風変わったしぐさは、ガブリエルがアンリ4世の私生児を懐妊したことを象徴しているという解釈がなされているそうです。

長くなってしまったので、続きはパリ観光は観光客が少ない11月が最適、ルーブル美術館【後編】に書きたいと思います。