ぺんぎんメモ

鹿児島観光「仙巌園」江戸~明治の迎賓館的役割

time 2017/02/27

鹿児島で印象的だった観光地の1つに、仙巌園があります。仙巌園は1958年に国の名勝に指定され、1658年に島津家第19代島津光久が島津家の別荘として築造しました。鹿児島中央駅からはバスで約30分かかりますが、桜島も見える美しい大規模庭園です。

仙巌園に隣接した建築物は、島津斉彬とその遺志を継いだ人々により造られた日本初の工業地帯や集成館跡地でもあります。それだけに、仙巌園に入ってすぐの場所にある鉄製150ポンド砲と反射炉跡は、近代日本の象徴ともいえるものなのです。ゆえに、これら近代日本の技術力と工業力発祥の地である仙巌園周辺は、2015年に「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産に登録されました。

 

こちらは、1893年に木材で作られた正門。幕末から近代にかけての仙巌園は、薩摩藩・鹿児島県における迎賓館的役割を果たしていたそうです。

そのため幕末には、オランダ海軍将校、幕臣勝海舟、イギリス公使パークスが訪れたり、明治以降には大正天皇、昭和天皇をはじめとする皇族方、ロシア皇太子ニコライ2世、イギリス皇太子エドワード8世が訪れるなど、国内外の数多くの要人が訪れる場所となっていたようです。

こちらは錫門で、江戸時代はこちらが正門となっていました。この門の屋根は瓦ではなく錫で葺かれていて、総重量は1トンもあるそうです。当時この門を通ることを許されていたのは、薩摩藩の当主とお世継ぎだけだったそうです。

この庭園の造りには借景と呼ばれる手法が用いられており、桜島を築山、錦江湾を池に見立てているそうです。景観が見事で驚きました。

仙巌園内には多くの灯篭がありますが、鶴が羽をのばしたような姿に見える鶴灯籠は、28代島津斉彬が1857年にガス灯の火をともした灯篭として有名らしいです。

こちらの灯篭は、獅子乗大石灯籠と呼ばれています。

仙巌園内には猫を祀っている猫神があり、そこには島津家第17代島津義弘が朝鮮出兵の際に時計が代わりに連れていった猫7匹のうち、生きて帰った2匹が祀られているそうです。

薩摩藩最後の藩主である島津忠義が明治以降に住んでいたのが、この御殿。当主の部屋には屋久杉が使われているそうです。

鹿児島県が亜熱帯と温帯気候が混じった気候のためか、仙巌園は植物の宝庫であり自生植物が600種類以上生えているそうです。大名庭園の中で、こんなに多種類の植物が生えているものは見たことがありません。

御殿の裏にある山の間に、白い文字が書かれた岩が見えます。その岩には千尋巌(せんじんがん)と書かれてありますが、これは1814年に27代島津斉興が3,900人の人夫をつかい、3カ月かけて作らせたものだそうです。

白色は胡粉(ごふん)という、貝がらをこまかく砕いた粉を塗り固めたものです。岩に文字を刻み着色するのは中国ではよく見られるものらしいですが、日本の庭園では他に例を見ないそうです。薩摩藩が中国文化の影響を、いかに強く受けていたかが分かるものです。

ちなみに仙巌園は中国文化の影響から風水を重んじて造られたといわれ、良い気が集まる場所とも言われています。小さな滝がありましたが、ここもパワースポットかもしれません。

こちらは望嶽楼と呼ばれ、約350年前に琉球王国から贈られた桜島を観るためのあずまやだそうです。島津斉彬が勝海舟と面談したり、島津忠義がロシアの皇帝ニコライ2世と会ったりした重要な場所です。

仙巌園は15,000坪(50,000平方メートル)という広大な敷地面積を誇るため、しっかり観光しようとすると数時間を要します。

ゆえに、名物である両棒餅(ぢゃんぼもち)でも食べながら、休み休みじっくりのんびり観光するのがオススメです。

こちらは保津川。大きな用水路のように見えましたが、川でした。

駐車場の奥には鶴嶺神社という神社がありました。

こちらは、尚古集成館。薩摩藩主であり島津家28代島津斉彬が集成館事業を推し進めた際に築いた工場群は、薩英戦争で焼失してしまいました。しかし、その後29代島津忠義が、1865年に建造した機械工場用建物を活用したのが尚古集成館となりました。

島津斉彬は、西欧列強の力を非常によく認識していたがために、反射炉の建設や造船業事業などの集成館事業を推進したといわれています。集成館敷地内には、明治天皇が来たという石碑が建っています。現政府にとって不可欠なものなのでしょう。

尚古集成館の本館。近くに別館もありますが、どちらも見どころ満載です。旧集成館機械工場が含まれており、江戸末期から明治にかけての貴重な遺産を多く見ることができます。

仙巌園は世界遺産に象徴されるように近代日本発展の拠点だと実感できると同時に、薩摩藩が工業力や外交力を持ち、他国と対等に付き合っていたことを知ることのできる貴重な場所でした。と同時に、中国や琉球王国文化の影響を受けていることも感じられる、不思議な場所でもありました。

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