日本社会は21世紀に入った頃から、低価格の過剰サービスが蔓延するようになった気がします。
長期の景気低迷がそうさせたのだと思いますが、それが長時間労働や労働者の心身を壊す結果に結びついているのは疑いようのない事実です。
先日も、配送業者大手ヤマトホールディングスがアマゾンとの契約によって配送量が激増したにもかかわらず、配送料金を据え置いていたため、配送員が過剰労働をさせられていた実態が明らかになりました。
ヤマト宅急便は、正確・丁寧・迅速な配送・引っ越し業務を行ってくれるので、私も昔からお世話になっている会社です。
が、最近は低価格の割に過剰サービスで心配になることもありました。ヤマトだけでなく、他の配送業者も似たような状況だと思います。
また配送業者だけでなく、小売店や飲食店などサービス業界では同様の状況が起こっている気がします。
利用者からすれば便利で助かることが多いですが、現状のままでは労働者を犠牲にし続けることになると思います。
日本列島には資源がないために、また過酷な自然環境のために、(日本人が精神病になりやすいのは「厳しい自然環境」が原因)、どうやら昔から庶民に対して過剰な努力を、労働者に対しては過酷な労働を、強制する風土・風潮があったようです。
だからこそ、政府や雇用者に都合のいい根性論や精神論が発達してしまったのかもしれません…
あと不思議に思うのは、多くの企業で過去最高収益や世界一企業を目指す流れがあることです。
そうした意識は、利益を出して会社を存続させる上では重要かもしれませんが、だからといって低価格・過剰なサービスを現場に強い続けることは、長期的には成立しないビジネスモデルだと思います。
人は機械ではありません。
労働者を長時間酷使し、部品のように使い捨てる企業は滅びるべきだし、そうした企業にしがみつく生き方も、しがみつかなければ生きられない人生も選択したくないなと思います。