『チェルノブイリの真実』で分かる原発の危険性③原発は時限爆弾

原発産業に関わる国・機関・企業は、原発の危険性および各国で起きた原発事故の真実について現在も隠蔽し続けています。

そして、原発産業を正当化するためのあらゆる理由を付けて、原発建設・原発稼働を続けようとしています。

チェルノブイリ原発事故後も、当初事故原因は原発作業員によるミスとして片付けられ、その後も原発推進は続きました。しかし、数年後に真の原因は構造上の欠陥だと公表されました。

が、その後も各国ではその原因を聞かなかったのように原発推進が続いているのです。

爆発したチェルノブイリ原発4号機に関しては、特にひどい状況下で建設されたという事実が『チェルノブイリの真実』内に書かれています。一部を抜粋します。

「発電所の中央には、まだ設計図がとどいていない『空白地域』があった。それでもその周囲では、最後には二つの部分がぴたりとつながるようにと願いながらの工事が続いた」

これは私が日本で、福島原発の工事をした人から聞いた話と酷似している。この場合も設計図が後からできるという具合で、原子炉がうまく基礎に合わず、試験運転で激しい振動があったという。そして建造物をよけながら、後になって配管を繋ぎ合わせたために、曲がりくねってあちこち継ぎはぎだらけになってしまった。そうした場所だから定期点検には、作業員に非常な負担がかかった。ある作業員はその配管の迷路にヘルメットがつかえてしまい、携帯用の放射線検知器が警報を発し続ける中、ようやくそこを脱出した、という事件があった。私はその人の家族に会ったが、彼がその日、家に戻ってきた時に、もう原発では働きたくないと漏らしたという話を聞いた。その人は暫くして亡くなったが、東京電力は放射能との因果関係を認めていない。

こうした状況で建設されていたことからも分かるように、原発はもともと事故が起こるような設計になっています。つまり、原子力発電は時限爆弾であり、建設は爆弾を設置するのと同じようなものといえるのです。

また、例え原発事故が起こらなくても、稼働中は原発内部に多くの放射性物質が溜まっていくため、その危険物質をときどき外へ排出する必要があります。つまり、通常運転中も多くの放射性物質が排出されているわけです。

そのため、原発内で働いていなくても原発周辺地域では、ガン・白血病などの発症率が異常に高くなっています

そうした事実があるにも関わらず、チェルノブイリ原発事故後に増えた、周辺地域における小児甲状腺ガンの実態は未だに隠されたままです。

甲状腺ガンは甲状腺が被爆することによって異常が起こりガンに転化したものですが、原発関係者は今もなおその事実を認めようとしません。

チェルノブイリ原発事故後に現地に派遣された、広島にある「放射線影響研究所」の重松逸造氏はじめ広島の一部の学者も、「そんなことはあり得ない」と主張し続けました…

そうした人々が、世界の原子力産業および日本の原発推進組織から、多大な圧力を受けていたことは想像できますが、それらの発言によって原発の危険性が隠され、結果として日本各地に原発を乱立させ、福島原発などの原発関連事故発生に繋がったことは、無責任としか言いようがありません。

そして、結果として福島原発周辺地域の子どもたちにも、小児甲状腺ガンやその他放射能による健康被害を多発させました。

これだけの被害を生み出しているのだから原発は安全ではない訳で、一刻も早く国内全原発を廃炉にすべきだと思います。

同時に、国内の汚染が少ない土地での食品生産に切り替え、国外から汚染された食品や生活用品の輸入を拒否する必要があります。

そして、原発を廃炉した暁には、核のゴミを処理方法・処理地を決定し、周辺の原発稼働国の様々な事故への対応策も熟考しておくことが不可欠です。

今後、日本が原発を廃炉へ向かわせるためには困難があるでしょうが、それでも日本列島に人が住める場所を残すために一刻も早く決断すべきだと思います。