基本的欲求=甘えの欲求を満たせないと、上の欲求は満たせない

個人的に信じている「マズローの5段階欲求説」によると、人間の欲求には5段階あり、

1段目の欲求を満たせなければ、その上の欲求を満たせないことになっています。

マズローの5段階欲求説

1段目は生理的欲求、2段目は安全の欲求で、この2つは基本的欲求とされており、食事や排泄などが満たされ、生命の危険がない場所での生活が満たされることを意味します。

3段目は社会的な欲求で、これは社会と繋がって認められたいという欲求。

4段目は尊厳の欲求、5段目が自己実現欲求となっています(さらにマズローは晩年、6段目の欲求として、目的の達成だけを純粋に求める自己超越欲求も発表しています)。

基本的欲求を満たせていない

さて、この5段階欲求説に基づくと、1段目や2段目の基本的欲求を満たせなければ、その上にある欲求は満たせないことになります。

ただ、基本的欲求は、自然災害や戦争によって満たせない場合以外に、

幼少期に何らかの理由で、親や社会から守ってもらえない(逆に虐げられる)、愛情を得られないという危険状態が続いた場合にも、満たせないケースがあると思います。

親が忙しすぎて子どもに関心が及ばなかったり、親自身が情緒的に未成熟のために子どもに関心がもてなかったり。

子どもの人権が低く置かれやすい日本社会では、生命の危険を感じる生活環境に身を置かざるを得ない子どもが数多く存在している可能性が高いのです。

現代では当たり前と思いきや

飽食といわれる現代においても、餓死する子どもや、自死する子どもが多い現実がなによりの証拠です。

もちろん、決定打となる原因があったのかもしれませんが、子どもの頃に周囲で自死した人々の言動や行動を思い返すと、

誰に対しても遠慮している印象があり、幼少期や子ども時代に、基本的欲求を満たせなかった可能性を強く感じてしまうのです。

親に甘えられなかった人

基本的欲求というのは、親への甘えの欲求なども含まれます。

親に甘えることが許されなかった場合、甘えの欲求が満たされないまま生きていくことになります。

「自分の存在は、親や周囲に何かしらの価値を与えてこそ認められる」というような条件付きメッセージを親から受け取っている場合は、

「自分はここにいていいのか」という不安を常に抱えることになり、自分の存在に信頼がもてないため親に甘えるどころではありません。

自己実現できない

子ども時代に満たすべき甘えの欲求を満たせず、甘えの欲求を抱えたまま生きていると=基本的欲求を抑圧したまま生きていると、

その欲求を満たすことに、時間・労力・財産を一生費やしてしまう可能性があります

結果、その基本的欲求が満たされなければ、その上の欲求である社会的欲求や尊厳欲求、自己実現欲求を満たすことはできないのです。

たとえ一時的に上の欲求へ移れたとしても、満たされない基本的欲求があるため、

途中でガス欠などを起こしてしまい(燃え尽き症候群やうつ病など)、再び下の欲求を満たそうとしてしまうのです。

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