本物に触れる経験は、自ら行動しなければ一生できないことかもしれません。
でも、本物に触れると、自尊感情を高め、幸せな人生を歩めるそうです。なぜなら、本物は触れた人本来の姿を浮かび上がらせる力を持つからです。
自分の人生を生きることの難しさ
多くの人は、親など周囲の大人の期待を背負って生きるように、誰かの人生を生きています。でも、それでは本当に生きているとはいえず、人形や奴隷と同じような気がします。
私も過去はそうでした。親の期待を背負い、教師や周囲の大人、世間から言われる常識を無意識のうちに当てはめながら生きていました。おかしいと思いながらも、人の評価ばかり気にして、既存のレール上を生きていました。
でも今考えれば、それは生きているのに死んでいるような状態でした。
本来の自分を引き出してくれる人
そんな中、高校時代に読んだ1冊の本によって、人生が変わりました。その本が本物だったのかは確かではないのですが、読んだ際にかなりの衝撃を受けたことを覚えています。
その本から、人生の選択肢は数多くあり、価値観も様々で、どんな風に生きてもいいことを知りました。他人のものさしで、自分の人生を測る必要はないことを知ったのです。
本物といいましたが、人も同じだと思います。本物の人は、何も大金持ちだったり、高い地位があったりする人ではありません。
その人といるとなぜか本音を話せたり、自分を隠す必要がなかったり、安らいだりする人です。自分の本当の気持ちに気付かせてくれる人です。その人といると、自分の本来の能力が発揮でき、生きる意味を教えられることもあります。
偽物が分かるようになる
一方、偽物の人に囲まれて生きてきた人は、例え本物と接しても本物と分からないことが多いそうです。
私も長い間そうでした。そういう人は、自分が奴隷になってしまうことが多く、しかも奴隷になっていることにさえ気付けないのです。
ですが、日常的に本物と接するようになると、徐々に偽物との違いが分かるようになってきます。
今まで自分が大切だと思っていた人が、実は自分を都合よく利用していること・軽く扱っていることが分かったり、すごいと思っていた人が実は口ばかりの人だと気付けたりするようになるのです。
言動ではなく行動で判断する
本物の人は、言動ではなく行動で人を判断しています。つまり、どんなに立派なことを言っていても、行動が伴っていなければその人は偽物だと判断できるのです。
口では「あなたが心配だ」と言いながら、実際には用事を言いつけたり、こちらの時間を無謀に奪うような人は偽物です。
また、本物の人はピリピリしていませんし、機嫌がよいことが多いです。それは、本物の人は好きな人生を歩んでいるために余裕があり、ピリピリする必要がないからです。
嫌いな人生を歩んでいる人は、精神的な抑圧があるためか緊張感があるのでピリピリしていて、周囲にも強い圧力をかけます。
本物の人は他人を搾取しない
そんな訳で、本物の人に触れていれば、間違った価値観で判断することもなければ、他者に利用されることも、常に緊張感を覚えることも、燃え尽きることも、精神的な病になることもありません。
本物の人はその人そのままを受け入れられるため、都合の良いように他人を変えたり、搾取したり、利用したりしないからです。
ですから、物であっても人であっても本物を選べる自分でありたいですし、可能な限り本物に触れる機会を持ち続けたいものです。