学生時代に初めて読んだ『アメリカインディアンの教え』(加藤諦三著 扶桑社)。今でも時々読み返すのですが、何度読んでもハッとさせられるんですよね。
批判ばかり受けて育った子は、批判ばかりします。
敵意にみちた中で育った子は、誰とでも戦います。
ひやかしを受けて育った子は、はにかみやになります。
ねたみを受けて育った子は、いつも悪いことをしているような気持ちになります。
心が寛大な人の中で育った子は、がまん強くなります。
はげましを受けて育った子は、自信を持ちます。
ほめられる中で育った子は、いつも感謝することを知ります。
公明正大な中で育った子は、正義心を持ちます。
思いやりのある中で育った子は、信仰心を持ちます。
人に認めてもらえる中で育った子は、自分を大切にします。
仲間の愛の中で育った子は、世界の愛を見つけます。
上記の中で特に「人に認めてもらえる中で育った子は、自分を大切にします。」という部分は非常に興味深いと思うのです。
というのも、日本は自殺者が年数万人出る国である上に、自分の命や家族を犠牲にしてまで会社に尽くさせる奴隷のような人間を大量生産する現代教育がはびこっていて、とても自分を大切にしているとは言い難い状況だからです。
本来であれば、親と子どもが長い時間を一緒に過ごしその中で子どもを認めてあげなければいけない。でも現状は親も子どもも忙しすぎて一緒に過ごす時間が少なく、親が子どもを認める時間がない。
そんな中で、暗記力を重視させた自分の頭で考えさせない教育を受けさせ続けていると、自分を大切にできないうえ他人も大切にできず、さらには例え社会が間違った方向へ向かっても止められないので社会を大切にすることもできないでしょう。
人間として基本的な部分を養えずに育った見かけ倒しの大人の多くは、一生子どものまま過ごすことになる訳です。「アメリカインディアンの教え」が浸透したら日本社会も変わるでしょうが、きっと数百年以上先だと思います。