歌舞伎町のラブホに泊まって黒革の手帳を忘れた20代

都内で働いていた頃、多忙な時期は仕事帰りに飲みに行ってそのまま近くのホテルに泊まっていました。

よく利用していたのはビジネスホテルですが、空室がない場合は歌舞伎町にあるラブホも利用していました。

ただ、そのとき1度だけホテルに仕事の手帳を忘れてしまったことがありまして…

朝起きて手帳を確認したはずなのに、職場に着いてバッグを開けるとどこにも手帳がない!

朝食を食べた喫茶店に忘れたか、どこかで落としたか等々、手帳がないと気付いた直後は真っ青になりました。

が、落ち着いて記憶を辿ってみると、どうやら泊まったホテルに忘れてきた可能性が高く、大急ぎで泊まったラブホまで戻りました。

ただラブホは通常のホテルとは異なり、宿泊者の顔も名前も住所もホテル側は知りません。

そのため、こちらもどうやって手帳の持ち主だと信じてもらおうか悩みました。

とはいえ、仕事に欠かせない情報がたっぷり詰まっている手帳を一刻も早く手元に取り戻したくて、そのときは無我夢中でラブホ窓口で掛け合った気がします。

「昨晩〇階の部屋に泊まり、今朝〇時頃チェックアウトした者ですが、部屋に黒革の手帳は落ちていませんでしたか?」など。

ラブホ側も、手帳を落としていく人は滅多にいないようで、手帳の特徴を説明するとすぐに手帳の持ち主だと信じて引き渡してくれました。

何度か利用していたラブホだったので、泊まった部屋の特徴や階数を覚えていたのも良かったのかもしれません。

手帳が手元に戻ってきた時の安堵感は、今でも忘れることができません…

新宿のホテルに宿泊しなくなってからはラブホを利用すること自体なくなったので、以降はそんなことはありませんが、

あまりの多忙さは時として必要な注意力さえ欠落させることを痛感した出来事でした。