江戸~明治時代初期の日本人

江戸~明治時代初期の日本人

『自由民権』今も150年前も日本政府は変わらない

先日高知へ行って、読みかけだった『自由民権』(色川大吉、1981)の存在を思い出しました。 帰宅後に読み終えたのですが… 明治時代の自由民権家たちは、政府(権力保持者)は必ず悪をなすものだという哲学を持ち、 人民によるたえざる監視と批判活動...
言いたい放題

『パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』今ある権利や自由があるのは先人たちのおかげ

昨年購入してからずっと放置していた『パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い』(黒岩比佐子、2010)。 先日ようやく読み終えました。 この本で初めて堺利彦という人物を知ったのですが、まずその幅広い人脈にビックリ。 人としてのあたた...
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『茶の本』人々は世間一般がよいと見做すものに喝采を送っている

1度読んだきりずっと仕舞ったままだった『茶の本』を、先日数年ぶりに読み返しました。 岡倉天心は生まれ育った環境と能力のために、日本語よりも英語のほうが得意だったせいか、1906年、まずアメリカで『The book of tea』(茶の本)を...
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『日本人の再発見』明治~昭和までの民衆はただ「存在する」のではなく、命がけで「生きていた」

世界中どこの国や地域でも、何かしらの悲惨な歴史を背負っていますが、日本も地域によっては同じかもしれません。 10年以上前から繰り返し読んでいる『日本人の再発見』(色川大吉、1996)に、 明治~昭和にかけて日本列島各地で起きた事柄に関する記...
江戸~明治時代初期の日本人

「港区立郷土歴史館」で明治初期の日本の写真を見てきた

先月末、港区立郷土歴史館で開催されている特別展、「日本・オーストリア 国交のはじまり~写真家が見た明治初期日本の姿~」を見に行ってきました。 この展示では明治初期の日本の写真が見られるというので、前々からぜひ行きたいと思っていました。 実際...
江戸~明治時代初期の日本人

『維新と科学』で分かってきた明治維新前後の流れ

先日『維新と科学』(武田楠雄、1972)を読んだのですが、その内容が以前読んだ『逝きし世の面影』の内容と重なり、興味深かったのでご紹介。 『逝きし世の面影』では、薩摩藩による奄美大島の搾取によって明治維新の資金源が作られる流れや、 グラバー...
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「藤沢市藤澤浮世絵館」江戸時代庶民の楽しそうな表情

先日、東海道を歩き始めた数年前からずっと行きたかった、「藤沢市藤澤浮世絵館」へ行ってきました。 藤澤浮世絵館は、JR東海道線辻堂駅北口から徒歩5分、「ココテラス」という建物の7階にあります。 パスポートセンターがある建物の、隣の建物です。 ...
江戸~明治時代初期の日本人

欧米人から見た江戸時代の売春制度

『逝きし世の面影』(渡辺京二、2005)における訪日外国人の記述から、何度かご紹介している江戸~明治時代初期の庶民の暮らし。 今回は、当時訪日した欧米人が揃って指摘した日本人の悪徳、淫らさについて紹介します。 以前、江戸時代の日本人に性的羞...
江戸~明治時代初期の日本人

江戸時代からあった日本人の宗教嫌いと迷信信仰

江戸時代の日本人像(庶民層)が少しずつ見えてきたのですが、それでもまだまだ分からないことだらけです。 何となく見えてきたのは、少しだけ勤勉で、食事と公共空間は清潔で、陽気で機嫌良く天真爛漫で無邪気な反面、迷信信仰があり、お祭り騒ぎが好きで、...
江戸~明治時代初期の日本人

なぜ日本人は無批判・無抵抗に近代化へ流されてしまうのか

何度かご紹介している『海外農村視察必携  世界の農業をどうとらえるか』(七戸長生、1993)から、今回も明治時代初期から変わっていないと思われる、日本人と日本社会の性質を示す箇所をご紹介したいと思います。 明治時代初期に日本に滞在した、イギ...
江戸~明治時代初期の日本人

江戸時代から続く「その場しのぎの安易な目線」から脱却するのは難しい

買ったまま数年間放置していた『海外農村視察必携  世界の農業をどうとらえるか』(七戸長生、1993)を最近ようやく読みました。 これは日本で農業に従事している人々が、海外視察時に必要な準備・勉強・視点と、その海外視察で得た情報の展開方法を紹...
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なぜ江戸時代の農山村は経済的に極端に貧しかったのか?

先日、江戸時代の農山村は経済的に極端に貧しかったと書きましたが、ではなぜそこまで経済的に貧しかったのでしょう? その原因を、明治時代初期に明治政府が招聘したドイツ人農学者、マックス・フェスカによる指摘から見ていきたいと思います。 例によって...
江戸~明治時代初期の日本人

江戸時代の農山村は経済的に極端に貧しかった

最近読んだ『海外農村視察必携  世界の農業をどうとらえるか』(七戸長生、1993)。 これは、日本で農業を行う人々が海外視察時に必要な視点・準備・勉強と、その海外視察で得た情報の展開方法を紹介している本ですが、江戸時代の北日本農村部に関する...
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下田・黒船ミュージアムで知った開国の真実と林大学頭(林復斎)の存在

先日下田へ行ってきたのですが、下田市内にある了仙寺に併設された「Mobs 黒船ミュージアム」で、開国に関する興味深い事柄を知ったので記しておきたいと思います。 了仙寺は、下田繁栄の基礎を築いた下田奉行・今村伝四郎によって、1635年に創建さ...
江戸~明治時代初期の日本人

江戸時代の日本人に性的羞恥心はなかった

現代では想像できませんが、江戸時代では都会の真ん中や田舎の村々で、日常的に女性の裸を目にすることが多く、公衆浴場では混浴が当たり前でした。 それは蒸し暑い気候と、十分な衣類を持てない・複数の浴場施設を持てない等の経済的事情も影響していたと思...
江戸~明治時代初期の日本人

政府に対する庶民の姿勢が、江戸時代から変わっていない

以下にも書いたように、『逝きし世の面影』における欧米人の記述からは、 江戸時代~明治時代初期の庶民がとても幸せそうに暮らしていたことがうかがえます。 江戸時代は子どもにとって天国・楽園で、親や大人から愛情をたっぷり受けていた 江戸時代庶民は...
江戸~明治時代初期の日本人

江戸時代は子どもにとって天国・楽園で、親や大人から愛情をたっぷり受けていた

『逝きし世の面影』における訪日外国人の記述から、何度かご紹介している江戸時代の庶民生活。 今回は「江戸~明治初期時代の子どもを取り巻く環境」についてご紹介します。 現代日本社会の子どもは、幼少時代から大人と同じような振る舞い・対応を求められ...
言いたい放題

江戸時代から続く、共同体のために個人が犠牲になる日本社会

江戸時代庶民は現代庶民よりも自由に暮らしていた5つの理由でも紹介した、江戸時代の日本。 その中で、当時来日したイギリス人のローレンス・オリファントが『エルギン卿遣日使節録』で指摘した、 「個人が共同体のために犠牲になる日本」という表現がずっ...