紋紋つきの人から名刺をもらった夫

年末まで相変わらず忙しくしている夫ですが、この時期になると毎年思い出すお客さんがいるそうです。

その人は、二の腕から背中にかけて紋紋が入った業界の人でした。

もちろん、服は着ているため上着を脱がない限りは分からないわけですが、室内が暖かい冬季だと上着を脱ぐ機会も多く、結果ワイシャツの上からでも薄っすらと透けて見えてしまうのだそうです。

夫がなぜその人を覚えているかというと、その人から名刺をもらったかららしい。

どうやら、その人側の事情を夫が被る形となる注文で、その人は大助かりだったようですが、夫は会社から猛批判を浴びることに(ただ、後に一件落着)。

名刺によると、トップではなくNo.2か3っぽかったようですが、最後名刺を渡しながら「何かあったら遠慮なく連絡してくれ」と言われたとのこと。

いや、何かあっても絶対連絡したくない…

そういえば過去に、背中全体にキレイな紋紋が入っている人を見たことがありますが、芸術品と思えるほど美しかったのを覚えています。

ただ、歳を重ねるとその紋紋を美しく維持するのが大変らしく、消そうと思うと入れた時の数十倍のお金がかかるそう。

夫はなぜか頻繁にそういう業界の人に当たってしまうのだと言っていました。

場所柄、関東系の人しか会ったことはないそうですが、だいたいトップの人は小柄で品が良く、親切丁寧で、とてもその筋の人には見えないらしい…

う~ん、なんというか漫画の世界を彷彿とさせます。

しかしながら、お付きの人は映画の世界のようにおっかない感じで、その業界の車にクラクションを鳴らしてしまった世間知らずの車が、ボッコボコに蹴られているのを見たそうです…怖すぎ。

また、その業界の本部というか事務所に行ったことがあるそうですが、入口ドアが2重になっていて、おっかない人が大勢いて、それはそれは怖かったそうです…絶対行きたくない。

あとは、知らずにそうした業界御用達の銭湯へ行ってしまい、サウナで紋紋の人ばかりと鉢合わせたこともあるそうです。

「兄ちゃん、もっと入ってけや」と言われたとか…

ただその業界も日本経済と比例しているようで、夫の会社でも、80年代までは領収書と言われたことはなかったそうですが、今では必ず領収書と言われるらしい。

まぁ、現代ではこの業界は食えないと聞きますし、某関西系の現トップは財力で上り詰めたそうですから、

そうした業界でも、もはや武力よりも財力がものを言うのかもしれません。