『タネを守ろう!そうだったのか 種子法廃止・種苗法改定』外資を含む大企業や投資家中心に、法律が変えられている現実

日本の種子を守る会HPにて上記冊子を知り、興味があったので取り寄せて読んでみました(今年9月発行)。

ところどころ理解が難しい部分はありましたが、気軽に読めるページ量、可愛い絵、かみ砕いた説明のおかげで、なんとか読み終えることができました。

おかげで、

で止まっていた、タネや苗、農業を取り巻く現状への理解が、少しだけ進んだような気がします。

外資を含む大企業やアメリカ投資家中心の法律へ

ただ、やはりというか種子法廃止種苗法改定、さらには農業競争力強化支援法の導入は、外資や大企業、投資家の利益拡大のためのものでしかなく、、、

農家と消費者、そして今後の日本の農業にとって、とんでもないことをしてくれたなという印象しかありません。

おそらく圧力を受けた農水省が、外資を含む大企業やアメリカ投資家の言いなりになって、強行に推し進めたものだろうと思います。

それは過去に圧力に屈しず、日本と日本国民の利益を守ろうとした農水大臣や政治家が、何人も不審タヒしたことからも明らかです。

ちなみに、種子法廃止や種苗法改定、またそれに準ずる罰則決定などを、あまりに短期間に強行に推し進めたため、いまだに農家に周知されていない状況のようです。

おそらく農家に知られたら反対されることが分かっていたので、中身を知られないように議論を尽くさせないまま決めたからだろうと思います。

種子法の廃止

種子法は1952年制定以降、国の責任で「日本人の公共資産」である種子を守ってきた(主にコメ)、極めて重要な法律でした。

しかしながらこの法律の廃止で、安い公共種子が作られなくなると、農家は開発費を上乗せした民間企業の高価な種子(公共種子の約10倍の値段)を買うしかなくなり、その分、これから日本人の主食である、コメの値段が上がることが予想されます…

また、自然災害大国かつ島国である日本では、農産物の種類が多いことが食の安全保障となるのですが、、、種子法廃止により売れる種子しか作られなくなる可能性が高いため、そうした点でも懸念されます。

国が種子法を廃止した結果、国が守らないのなら各都道府県で種子を守る、という動きになっています。

現在、28道県で種子条例が制定され、すでに施行された県もあります。

【種子条例制定済みの28道県】

鹿児島、宮崎、熊本、島根、鳥取、広島、兵庫、徳島、愛媛、滋賀、三重、愛知、岐阜、福井、石川、富山、長野、新潟、埼玉、千葉、群馬、栃木、茨城、山形、宮城、岩手、秋田、北海道

ちなみに、種子条例を働きかけ中のところが4県(沖縄、大分、山口、香川)、残りの15都府県は???です。

その15都府県の中で、種子法に基づく条例があったのにもかかわらず2018年3月に廃止した県として、神奈川県、山梨県、岡山県がありました。

これらの県では、関係する要綱を制定することで対応しようと考えているようです。

が、山梨県と神奈川県では、種子条例の制定を求める陳述書が協同組合や県民から提出されており、要綱で公共種子が守られるのかは不透明なのが分かります。

私も県民のため、神奈川県へ意見書を送って種子条例を制定しないのか尋ねたところ、「今のところ運用上の支障が生じていないため、条例を制定する考えはない。制定した要綱に基づき対応していく。」とのことでした。

要綱だけで、これまで通り安価な公共種子を守り、安定供給が継続できるのか、甚だ疑問に思います。

種苗法の改定

次に、種苗法改定によって、これまで農民が当たり前の権利として持っていた「自家増殖」が禁止されてしまいました

自家増殖とは、買ってきた種苗を使って、自分で栽培した種や苗を次のシーズンに使うことなのですが、これまでは一部を除いてほとんどが容認されていました。

それが種苗法改定によって、一部を除いて原則禁止となってしまったのです。

結果、農家は自分で種子を採ることができなくなるため、そのうちイラクのようにグローバル企業によって食の主権を奪われ、食が高額なものになる可能性が高いです……

農業競争力強化支援法

そして、種子法廃止、種苗法改定以上にヤバいのが、農業競争力強化支援法という法律です。

これは、各都道府県が汗水垂らして開発した知的財産である「公共種子の開発データ」を、求められれば外資を含む民間企業に無料で提供しなければならない、というもの

これでは将来的に種子が異常な高価格になりかねず、結果、食物価格が異常に高騰しかねません…

その結果食の安全どころか、日本の食全般が異常に高額なものになってしまう危険性があります

もはや「公共種子の開発データ」を民間企業に提供しないためには、各都道府県が条例で厳しく規制するしかありません。

日本政府の存在意義とは

種子法廃止、種苗法改定、農業競争力強化支援法の導入によって起こる危険は、食が高騰するだけでなく、食の多様性が失われることにあります

自然災害大国かつ島国である日本では、食の多様性が失われるほど、食の安全保障が弱くなってしまうからです。

それにしても日本政府は、改定すべき刑法や民法など時代錯誤の法律はそのままで、守るべき法律は廃止や改定しまくっており、他の諸々のことと合わせて存在意義を疑うレベルです。

他にもこの冊子には、遺伝子組み換えやゲノム編集のこと(世界共通の流れ)、さらには日本が、残留農薬の基準値を異常に緩和したり(日本の残留農薬基準値が他国の数十倍となっている異常)、世界各国が禁止している農薬の使用を規制しなかったり等、悪い意味で、世界の流れから逆行している旨も書かれていました。

これらも圧力を受けた厚労省が、外資を含む大企業の言いなりになっていることが原因だろうと思います。以下にも書いたように天下り先確保のためなら、基準値操作くらいお手のものなのです。

まとめ

見た目は薄い冊子でしたが内容は濃く、今後の食を考える上で重要すぎる視点が詰まっていました。

と同時に、知らなかった内容も数多く含まれていたため、読んでいなかったら…と思うと怖くもなりました。

まだ理解不足のところも多いので、繰り返し読み込んで内容をしっかり理解しようと思っています。

ちなみに、現時点で行動できていることは、首相官邸や各省庁、地方自治体に意見を送ること、固定種や在来種を扱う有機農家や無農薬農家の農産物を買うことくらいです…

そのため、以前考えていたようにやっぱり市民農園を借りて、ジュンク堂で買った「野口のタネ」を育てていく必要があるのかなと思いました。

ちなみに、この冊子の中で???と思ってしまった箇所が、2点ありました(もしかすると日本政府に目を付けられないよう、意図的に加えた箇所なのかもしれません)。

まず1つは、このままでは地球が温暖化し続けるという視点と、その原因がほぼ人間にあるような視点です。長い歴史の中で地球は温度変化を繰り返していて、過去にも今以上に温度が高い時代があり、今は寒冷化に向かっている可能性も指摘されています。

2つ目は、温暖化によって永久凍土が溶け出すことで、封印されていた病原菌やウイルスが出てきて、人間に悪影響を及ぼす可能性があるという視点です。

まず地球には、人類よりも先に菌やウイルスが出現していて、これまでの人類も、菌やウイルスと戦いながら進化してきた過程があります。上記解釈は、そうした過程を否定するものではないかと思いました。

上記2点に共通するのは、人間中心のおごった考え方で、冊子の中で、なぜかこの箇所だけズレがあるように感じました。

同時に、温暖化と決めつけるのは、温暖化ビジネスで儲ける大企業の莫大利権を後押しするだけだと思います。

上記箇所を除いては、より多くの人に知ってもらったほうがいい内容だと思いました。