高校時代、学校の図書室で1度だけ本を読んだことがあります。
普段は部活に明け暮れていたので図書室に行くことすらなく、だいたい図書室が開いていること自体少なかったので疎遠な存在でした。
が、あるとき自由登校日があり学内を歩いていた時に、たまたま図書室が開いていたので入って本を読むことに。
私以外は誰もおらず時間を忘れて本を読んでいましたが、いつのまにか鍵が閉まっていて慌てて窓から出た覚えがあります…そのせいでセコムが鳴ってちょっと焦りました。
ただ、その時読んだ吉本ばななさんの『アムリタ』の内容に衝撃を受けて、その日の帰りにブックオフに寄って『アムリタ(上)・(下)』を買って帰ったほど。
当時の私にとってその小説の内容は強烈で、その後も繰り返し読みながら1人暮らしを始める際には、実家用と持ち歩く用も買い進めて、計3セットになっていました(笑)
そんな『アムリタ』の魅力は、何といっても「好きな生活を送っていいんだよ、自由に生きていいんだよ」という価値観が溢れていることでした。
それまで田舎の軍隊教育にどっぷり浸かっていた私にとって、その価値観は凄まじく新鮮でした。
小説内では、主人公が自分の意思によって心から求める生活をしようとする姿が描かれていて、そんな生き方を当時まだ知らなかった私は、「こんな風に生活してもいいんだ、こんな生き方もあるんだ」と新たな価値観を提供された感じでした。
それ以来、吉本ばななさんの本はエッセイも含めて何冊か読み続けて、その度に刺激を受けています。実家の片付けで全ては持って来れなかったのですが、よりお気に入りのものだけを選んで持ってきました。
先月数年ぶりに読み返しましたが、これからも自由に生きていこうと自分の気持ちを再確認できました。きっと、この3セット=6冊は一生持ち続ける気がします。