の続きです。
飛鳥宮跡を観光した後は、隣のバス停「万葉文化館西口」まで歩きました。
そこで万葉文化館内を見る予定だったのですが、開館まで時間があったので先に飛鳥寺へ行くことに。
飛鳥寺は、バス停でいうと「万葉文化館西口」の隣ですが、万葉文化館敷地内からも行けるようで、庭園入口の階段に、飛鳥寺へ行く順路が示されていたのでそれに沿って行きました。
趣ある庭園を過ぎて、民家の間の私道っぽい道を歩いていきましたが、丁寧な順路案内で分かりやすかったです。
10分ほど歩いて飛鳥寺に到着!見た目こじんまりとしたお寺です。
正門も可愛らしい佇まい。
が、飛鳥寺は596年に蘇我馬子が建立した日本最古のお寺であり、そこに安置されている飛鳥大仏も日本最古の大仏様なのです!
とはいえ、他の歴史あるお寺に比べると、あまりに簡素な外観です。
どうやら、修復に修復を重ねて元の部分があまり残っていない等の理由により、飛鳥大仏は1400年間同じ場所に鎮座されているにもかかわらず、国宝ではなく重要文化財扱いらしい(過去に国宝だったこともあるが、基準変更により重文扱いとなっているそう)。
それにしても、正門を入ってすぐに本堂、本堂を入ってすぐに大仏様が鎮座されているのには、意表をつかれます。
今まで見てきた歴史あるお寺の大半は、1番最初の門から本堂までにかなり長い道のりを要し、仏様がある場所は1番奥みたいなパターンが多かったのですが、ここにはそれがありません。
すぐに拝めて、仏様が近い!
1400年前の仏様なのに写真撮影もOKなので、初観にもかかわらず親しみを感じられる大仏様です。
本当にすごい人は謙虚で目立たないといいますが、「私はすごい大仏なんですよ」感がない飛鳥大仏は、確かに日本最古の大仏にふさわしく、簡素ですごさを強調しない佇まいの飛鳥寺は、確かに日本最古のお寺にふさわしいです。
…とそんな独断ではなく、正当な観点からお寺の方が分かりやすく説明して下さって、飛鳥大仏や飛鳥寺のことがよく分かりました。
まぁ世界遺産、国宝、重文などと言われても、実際その価値の差はよく分からないのですが、個人的に、価値ある芸術品は、見ている者を穏やかな和やかな気持ちにしてくれるものだと思っています。
そういう意味で、飛鳥大仏は、今回の奈良で見たあらゆる仏像の中で、1番そうした気持ちになれるものでした。厳しくて冷たい顔立ちの仏様が苦手なのもありますが…
ちなみに、飛鳥大仏は少々右向きなため、左側から拝観するとちょうど目が合います…今改めて写真を見返しても、魂が入っているような仏様です。
1400年間も同じ場所におられる仏様なら、魂が入っていても不思議ではないのかもしれませんが。
当時の伽藍復元図があったのですが、当時の伽藍は今の20倍以上の大きさがあり、金堂3つ、五重塔、講堂なども擁した壮大なお寺だったようです。
お寺の方の話によると、当時は仏教大学のような感じだったらしく、大陸から伝来した仏教、さらには建築技術なども教えていたそうです。このお寺を中心として、日本全国に大陸文化が広まっていったのでしょうね。
大仏様の右側には、藤原時代に作られた木像の阿弥陀如来像。左側には、室町時代に作られた木像の聖徳太子孝養像がありました。
廊下には、当時の瓦が展示されていました。飛鳥寺が、日本で初めて瓦を使った建物だったそうなので、日本最古の瓦ということになるのでしょう。
1400年前の瓦が、こうして模様が分かるレベルで現存していることに驚きました!
瓦以外に菩薩様も。
全体的に展示されている歴史的品のレベルがすごくて、いろいろ驚かされる飛鳥寺でした。
個人的に、この飛鳥寺(飛鳥大仏)訪問は、今回の奈良旅行で1番価値がありました。何というか、パワースポットだと思います。
奈良には他にも名だたるお寺が数多くあるため、あまり目立たないかもしれませんし、序列を作るのも失礼かもしれません。
が、それでも訪れるべきお寺・拝むべき仏様No.1だと思います。また訪れたいです!