「パンテオン」から歩いてすぐの場所にある、「ナヴォーナ広場」(徒歩5分くらいの距離)。
ナヴォーナ広場はもともとは皇帝の競技場だったそうですが、今では市民の憩いの場として、露店、似顔絵を書く人、大道芸人などが集まり、賑やかな場所になっています。
ナヴォーナ広場は南北に細長くなっていて、ベルニーニの「四大河の噴水」が中央にあり、南側には「ムーアの噴水」、北側にはデッラ・ポルタ作の「ネプチューンの噴水」があります。
こちらが、噴水の中でもバロック様式の傑作といわれる「四大河の噴水」。
ナイル川、ガンジス川、ドナウ川、ラプラタ川の、世界の四つの大河を擬人化した彫像らしいのですが、その今にも動き出しそうな雰囲気にびっくりしました。
素晴らしいので、じっくりと鑑賞するのをオススメします。
ちなみに、この噴水にはオベリスクが建っているのですが、オベリスク自体は西暦81年から96年にローマ皇帝であったドミティアヌス帝が作成を命じたもので、エジプトの上のナイル地域から赤色花崗岩を切り出して作られたそうです。
当初はナヴォーナ広場の東側の(現サンタ・マリア・ソープラ・ミネルヴァ聖堂となっている場所にあった)イシス神殿の近くに建てられていたそうですが、長い歴史を経た後に1651年ベルニーニによってオベリスクと噴水を合体させた、現在の噴水が完成したらしいです。
こちらは、1654年にベルニーニがデザインしてアントニオ・マーリが彫った「ムーアの噴水」。
ムーア人とは、北アフリカのベルベル人のことを指しているそうです。
彫刻自体はもちろん素晴らしいですが、どうも人間をかたどった噴水デザインは奴隷文化を彷彿させるようで好きになれません。
これと似たような噴水を、ヴェルサイユ庭園やサクレクール聖堂で見たからかもしれませんが…
ちなみに「ネプチューンの噴水」は撮っていないのですが、ネットの写真を見る限りでは「ムーアの噴水」と似ていました。1575年にジャコモ・デラ・ポルタが造った水盤に、1878年になって彫刻が加えられて完成した噴水だそうです。
ナヴォーナ広場に行かれた際は、広場の雰囲気とともに3つの噴水の彫刻を堪能するのもいいかもしれません。この後歩いて、「真実の口」へ向かいました。