記憶に残っている人民日報or陝西日報の記事

中国在住中は中国語上達の目的もあって、『人民日報』や『陝西日報』など現地新聞を読んでいました。

同じ漢字圏のせいか何となく内容が分かるので、高レベルの語学力が無くとも読める記事が多くありました。

その中には興味深い記事もいくつかあって、特に印象に残っているものが「どうしてそんな嫌な目で見るの?私が内地人(中国本土)だから?それとも私の行動のため?」というタイトルのものでした。

内容としては、「香港人は内地人(中国本土)をなぜ嫌うのか」についての理由がいくつか列挙されていて、「香港人に嫌われる理由は内地人ということ以前に、行動の面も大きいのだから現状の行動を正しなさい、そういう面もあるでしょう?食事の仕方、トイレ利用の仕方等々…」と諭すようなものでした。

香港人(特に若者)は中国政府を嫌っていて、中国政府に管理されることや香港が中国として扱われることを非常に嫌がっています。

ゆえに、中国本土に住む内地人に対しても、一緒にされたくないという感情を持っているのです。

その結果、紹介した新聞記事のようなことを内地人が感じるケースが多くあり、その感情を中国政府が利用して、御用新聞で「嫌われたくないなら自らの行動を正しなさい」と、中国本土庶民の行動を改善させるのに用いているのでしょう。

そうは言っても、膨大な中国庶民をそんな記事で統制するのは困難ではないか?と思ってしまいました。それでも政府は国民統制のために必要だと思っているのでしょう。

もう1つ覚えている記事は、「中国の医療現場において、親族を救ってくれなかったからと、患者の遺族が担当医を襲う事件が多発している」というもの。

その記事からは中国における医療現場の過酷さが伝わってきて、医者の立場も相当大変なんだなと考えさせられるものでした。退職・休職する医者も多いらしい…

もちろん、そんな重い内容の記事だけでなく可愛いパンダの記事なんかもありましたが、社会面には興味深い内容が数多く載っていたので、今でも記憶に残っているものがいくつかあります。

日本で新聞というと地方紙くらいしか読むことがありませんが、中国本土へ行くとなぜか手当たり次第に読んでしまう新聞です。