父は若い頃から生き急いでいたためか、ある難病にかかり早逝しました。
亡くなる前に「やりたいことがまだまだたくさんある」、「やりたいことの1/10もやっていない」と言っていたそうですが、母からすると父は人の10倍以上のことを同時にやる信じられない生き方をしていたと聞きました。
そのため父が亡くなってから長い間、生き急いでいなければ難病にもならず早逝しなかったのでは?と思っていました。
が、自分が歳を重ねるにつれて、多少なりとも様々な人の生き方を知るようになって、それは違うと思い始めています。
生きるペースは人それぞれで、生き急ぐ生き方が体を蝕む結果を生んだとしても、その生きるペースを無理に変えてしまえば、今度は心が壊れたり別の不調が出たりして、生きるペースを変えなかった場合よりも早く生涯を終える可能性があるのです。
それを確信したのは、自分が数年前まで父のように生き急いでいたからでした。
もともと自分はおっとりしたマイペースな本質を持っていたと思うのですが、そんな本質が許される生活環境では無かったので、凶暴で神経過敏で偽善的で余裕のない、生き急ぐような性格になっていました。
でも、自分の本質に反した生き方は長くは続かないようで、体を壊した結果、元のおっとりとした性格に戻りつつあります。
雑誌・教育書・新聞・テレビで、やれ「〇〇がいい」、やれ「〇〇は素晴らしい」と特定の人を称賛する風潮がありますが、所詮人は人。
他人を気にする自信のないうちは、他人の生き方に多少目移りするかもしれませんが、自分が楽しく生きられるほうがいい。そう生きられるペースが、自分も周囲も幸せに暮らせる可能性が高い生き方だと思っています。