引き続き、『日本が売られる』(堤 未果、2018)から引用します。
水道民営化で日本を食い物にしている仏ヴェオリア社ですが、なんと水だけに留まらず放射性廃棄物ビジネスにも乗り出していました。
昨年、横浜市にある保育園園庭から放射能汚染土が見つかり、園児2名が白血病になったという報道がありましたが、その原因は福島の原発事故で東日本全域が汚染されたこと以外に、今もなお全国各地に除染した汚染土が撒き散らされていることも関係があると思います。
しかも横浜市は、白血病患者を出してもなお園庭にある汚染土の移設をしないのですから、まともな感覚を持った首長とは到底言えそうにありません。
まぁ市民の約8割が反対していたIR法案も勝手に進めたくらいですからね、、、
環境省が、福島第一原発事故で出た放射性廃棄物のうち8000ベクレル/kg以下の汚染土を、公共工事で再利用することを正式決定したからだ。
環境省は、原発事故前は100ベクレル/kgだった放射性廃棄物の「厳重管理・処分基準値」を、原発事故後80倍に引き上げていた。(p34)
厚労省が定めている残留農薬基準値や高血圧基準値も、庶民の健康関係なく外資系企業からの圧力でコロコロ変わりますが、環境省が定める放射性廃棄物の基準値に関しても同様とは呆れます、、、8000ベクレル/kgって。
そんな放射性廃棄物ですが、そこまで基準値を緩和しても量が多すぎて置き場がないため、通常ゴミと一緒に燃やすことに加え、公共工事(公園も含む)や農地にも再利用することを決定したそうです(除染土はどこへ?再利用って何に使ったの?)
一般ゴミと一緒に燃やすということは、大気中に放射性物質が撒き散らされるということです、、、
公園や農地に再利用するということは、子どもたちの遊び場や口に入るものに付着し、体内に吸収される可能性があるということです、、、
原発事故で十分すぎるほど汚染された土地をさらに汚染した挙句(ただでさえ農薬や化学肥料まみれなのに)、そこで放射性物質まみれの農産物を生産するなんて、、、頭がイカれいます。
そもそも「放射能汚染土を再利用する」という概念自体が間違っています。
『日本が売られる』の堤 未果氏も指摘していますが、日本は産業廃棄物の不法投棄が多いため、放射性廃棄物の処理を民間企業へ委託した場合、日本中が危険にさらされるのは目に見えているのです。
そうならないためにも、原発事業を長年推進してそれなりの報酬をもらっている政府関係者と東京電力の幹部が、御用でない専門家の意見に基づいて、庶民や作業員を危険にさらさない適切な方法で、汚染土を処理すべきなのですが、、、
他国では線量が高すぎて処理できない廃棄物も、日本なら一般ゴミとして処分が可能になる。日本でこの商売を始めるヴェオリア社を筆頭に、このビジネスは今後拡大してゆくだろう。
つまり、これから先厄介な核のゴミは、日本に持っていきさえすれば、有料で再利用してもらえるチャンスが出てきたのだ。そうなれば、処理方法にうるさい自国民の目を気にするストレスもなくなる。日本まで運ぶ費用を差し引いても、十分お釣りがくるだろう。(p35)
それだけなくヴェオリア社は、今後世界中で出るであろう廃炉となった原発から出る放射性廃棄物を処理する事業のため、放射性廃棄物分野で最先端技術を持つアメリカのキュリオン社を買収。
その後、日欧EPAで外資にも開かれてしまった公共事業の入札で、日本における放射性廃棄物処理事業に参入、、、これにより、世界の核のゴミを日本で処理するビジネスが始まってしまったのです。