の続きです。
前回、原発に関してアメリカ側の了承なしに日本側だけで決められるのは電気料金だけと書きましたが、
日米原子力協定の条文を読むと、なぜ日本政府はこんな不平等協定を結んだのか、と絶望的な気持ちになります。
「第一二条四項
どちらか一方の国がこの協定のもとでの協力を停止したり、協定を終了させたり、〔核物質などの〕返還を要求するための行動をとる前に、日米両政府は、是正措置をとるために協議しなければならない(shall consult)。
そして要請された場合には他の適当な取り決めを結ぶことの必要性を考慮しつつ、その行動の経済的影響を慎重に検討しなければならない(shall carefully consider)」(p96)
と書かれており、
アメリカの了承がないと日本側だけでは絶対にやめられない取り決めになっているのです(電気料金以外)。
さらに、
「第一六条三項
いかなる理由によるこの協定またはそのもとでの協力の停止または終了においても、第一条、第二条四項、第三条から第九条まで、第十一条、第十二条および第十四条の規定は、適用可能なかぎり引きつづき効力を有する」(p97)
と書かれており、
仮に、日米原子力協定が終了したとしても、「引きつづき効力を有する」ことになっているのです。
なぜ1968年にこんな協定を結んだのか?
この前に、アメリカに対して日本政府として弱みを握られる事件や事故でも起きたのか?
こんな国家の存立に関わる不平等協定を結ぶのは、それなりの事情が日本側にあったとしか考えられません。
こうしたアメリカと日本の不平等関係、日本政府による日本国民への人権侵害状況を変えるためには、
どうしても日本国憲法を、国の最高法規として法的構造の中で機能する形に戻すことが不可欠です。
条約や密約よりも日本国憲法を尊重する法的構造にし、
日本の国益と日本国民の人権を優先する社会(当たり前の状態)に戻さなければなりません。
米軍と官僚によって支配され、大半の日本国民の声を無視して暴走しつづける行政(政府)ではなく、
大半の日本国民の声が反映された、日本国民のための行政(政府)にする必要があります(当たり前)。
そして立法(国会)は、行政(政府)によって支配される状態から脱却し、
国民の人権を守る法律を制定、国民の人権を侵害する法律・政令・省令は廃止する必要があります。
司法(裁判所)、特に最高裁判所は、条約や密約ではなく日本国憲法を最高法規として判決を下し、
統治行為論などと逃げずに、司法審査権としての機能をきちんと果たす必要があります。
そうしたことを実現し、アメリカと結んだ不平等条約や不平等協定、数々の密約を無効化するためにも、
政府広報、大手メディアによるつくられた世論、利権団体による情報操作、軍国主義的な憲法改正論議に惑わされず、
日本国憲法に国の最高法規としての機能を取り戻さなければなりません。
でも、どうやったらいいのか分かりません、、、
が、諦めず今後も首相官邸や地元の行政機関へ意見を送る、住民運動へカンパするなど、
できることを続けていこうと思います。
史実をふくめて衝撃的な現実がたくさん書かれていたため、、、
『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(矢部宏治、2014)から長らく引用させていただきました。
まだまだ引用したい部分があるのですが、、、いい加減、今日で最後にしようと思います。
長い期間、稚拙な説明にお付き合いいただき、どうもありがとうございました。