引き続き、『政府はもう嘘をつけない』(堤未果、2016)から引用。
2015年、フランス・パリの7ヵ所で同時多発テロが起きた際、
オランド大統領は即座に「国内非常事態宣言」を発動、同攻撃を「戦争行為」と表現し、15日にシリア領内の「イスラム国(ISIS)」拠点へ、大規模空爆を開始(p166)
しました。
さらに、そこへ
アメリカ、イギリス、ロシアなどの国々は相乗り軍事攻撃を実施した。
事件の真相が明らかになる前に軍事介入するという、その《おかしな順番》が問題にすらならなかったのは、欧米の商業マスコミの大きな功績と言えるだろう。(p166)
真相が明らかになる前に軍事介入という流れは、
9.11や昨今起きた数々の事件と同(p166)
じ。
今回もテロ実行犯たちが現場にしっかりと身分証明書(パスポート)を残したことや、テロのタイミングが公式攻撃演習時期とぴったり一致していたこと、(中略)、重要情報を持っているだろうテロの犯人たちを逮捕せず殺害する必要があったのかなど、腑に落ちない真相は一切追求しなかった(p166)
ことなどを考えても、テロではなく事前に計画されたものである可能性が高い気がしました。
先週から始まったイスラエル戦争もですが、
戦争犯罪を正当化するために、信憑性不確かな動画や画像、御用ジャーナリスト、御用学者を使って、
誤った事実を各国メディアが流し、各国国民に対してテロ集団への怒りと恐怖を煽りますが、、、
結果は、現地の民間人が大勢犠牲となり、民家が破壊される事態です。
ただおかしいのは毎回、主要軍需産業関連株が急騰して、各国の軍需産業と投資家が儲けていること。
この時も、
ボーイング社、レイセオン社、ジェネラル・ダイナミクス社(p168)
や
仏系のタレス・グループ(p169)
などの株価が爆上げしました。
フランスはアメリカに次いで、〈テロとの戦い〉から恩恵を受けている国の一つ(p169)
だそうで、アメリカにある
〈軍需産業は、公共事業と同じだ〉なんていうブラックジョーク(p170)
そのままのやり方でビックリしました…
でも書きましたが、
世界には、地球のどこかで戦争が起きることを待ち望んでいる国というか産業があります。
2022年の武器輸出額ランキングを見ると、
2017年時と比べてアメリカ、フランス、中国、イタリア、ポーランドが激増しているので、ウクライナ・ロシア関連だと予想。
おそらく2023年の武器輸出額では、パレスチナとイスラエルへの武器輸出国が増えるはず。
アメリカは建国以来、9割以上の間ずっと戦争をしている国で、
「アメリカ政府はパキスタンなどで、『テロリストを見つけ出して撲滅する』と言いながら無人機で人々を監視し、テロの疑いをかけた人物を空爆している。そして、その際に数えきれないほどの民間人が巻き込まれて死んでいることは、アメリカ国内では報道されない。」(p171)
のです。
日本は戦後70年以上米軍に軍事占領されてきて、日本政府は今もなおアメリカに隷属しているため、
大手メディア報道も含めて、アメリカが起こす戦争犯罪と無関係とは言い切れない面があります。
アメリカがターゲット国家への軍事介入を行い、
ターゲット国家の政治体制が崩壊すると、
「民主主義」の名の下に欧米に都合のいい新ルールを制定。
ターゲット国家の石油、鉱物、天然資源や農業資源などを、多国籍企業が最安値で買いあさり、
欧米に従順な操り人形の政権をおく
という流れが、近年アフガニスタン、イラク、リビア、シリアなどで起きています。
武器輸出額が諸外国と比べて圧倒的に少ないことは、日本国民として誇れる事実だと思いますが、
アメリカの戦争犯罪に加担している現実は情けないです。