『政府は必ず嘘をつく 増補版』信じていたものを信じないという思考転換

最近読んだいくつかの本に、

昨年読んだ『日本が売られる』(堤未果、2018)のような衝撃を受けて、現実逃避している昨今。

特に、『政府は必ず嘘をつく 増補版』(堤未果、2016)には、

昨日までに書いたようにショックな事実が目白押しで、、、精神が衰弱中。

そういえば、ショックを受けた文章が他にもいくつかあったので、抜粋。

「なぜWHOは、チェルノブイリ原発事故による健康被害を調査しないのでしょう?」

「1959年にIAEAとの間で、ある契約を交わしたからです(IAEAーWHO協定・第1条2項)。WHOが今後一切、IAEAの承諾なしに〈放射線に関わる健康被害〉を扱えないという内容です。さらに、資金の出所が変わったことも、これに拍車をかけました」

WHOの運営資金は加盟国政府からの拠出金でまかなわれることになっているが、ここ10年で民間企業からの助成金が急激に拡大し、今では国連予算の倍の資金を私企業から受け取っている。(p58、59)

2020年以降、WHOに対する不信感は増しましたが、、、

民間企業からの助成金が激増しているということで、、、

WHOが、助成金を受けた民間企業に不利になる発言をしないこと、不利になるデータを出さないことにも合点がいきました。

IAEAから圧力を受けた結果、放射線に関わる健康被害に関するデータを隠していたことも納得です。

ただこうやって他にも、国際機関同士で利害調整を行うような契約が交わされているかと思うと、、、

お金の動きを把握するにも限りがあるので、もはやどの機関を信じていいか分からず混乱してきます。

とはいえ堤氏の本を読んでいると、

日本政府が各国際機関に大金を拠出したり、アメリカに隷属したりしていることは、

日本が他国よりもあらゆる面で国際的に有利に事を運べるよう、必要なことなのか?とも思えてきて、、、

ますます混乱してきます。

「世界唯一の被爆国として、半世紀もの間核廃絶を訴えている日本の国民が、なぜこんなにも放射能について無知なのか。そして、地震大国でありながら54基もの原発と共に生きる子供たちに、なぜ大人は放射能に関する教育をしないのか?」(p62)

という問いは、

日本の国策として戦後原発を推進し、放射能に関する教育を利害関係を交えず行えるレベルに、

国としても社会としても到達していないからだろうと思います。恥ずかしいことですが、、、

それと、論理的思考能力が諸外国に比べて低いことも影響している気がします。

さらに、以下の内容にもショックを受けました。

「西側の報道ばかり見ている人の多くは、IMFのことを、まるで弱い国を救う赤十字のような機関だと錯覚しているわ。IMFと世界銀行、WTO(世界貿易機関)の目的は、地球規模の自由貿易推進で、ゲームのルールはアメリカ中心の西側に有利なようにできているのに。(略)」

私はその時初めて、IMFが債務危機に陥ったラテンアメリカ諸国で、”悪魔の機関”と呼ばれていることを知ったのだった。(p180)

本の中では、IMFの介入によって貧困層が激増してしまった国として、

ジャマイカ、韓国、インドネシア、タイ、アルゼンチンが挙げられていました。

高金利融資と引き換えに、IMFが各債務国に行うのは、

「通貨の切り下げ」「政府の公的支出の削減」「貿易規制の撤廃」です。

この救済プロセスは債務国にとって非常に不利な仕組みとなっており、

それを知らずにIMFへ支援を要請した国々では、IMFによって、

「規制緩和」「緊縮財政」「民営化」をさせられ、貧困層が激増する道を辿っていくことになります。

こうした国の土台からボロボロにするIMFのやり方が、国際版消費者金融と呼ばれる所以のようです、、、

しかしながら、日本のIMF出資額がアメリカに次いで2位で、間接的に加害者側にいるという事実を知り、

のんびりしていると世界中から搾取されて詰む、弱肉強食の現実を突きつけられた感じです。

これまで信じていたものがそうではなかった、という現実を受け止めるのはしんどいものがあります。

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