先日ようやく完読した、『政府は必ず嘘をつく 増補版』(堤未果、2016)。
本全体が救いようのない内容なだけに、読んでいるとまたもや気分が沈んできますが、、、
分かったことは、日本政府はTPPに沿ってどんどん規制緩和を行い、
日本の市場をグローバル企業に差し出して、日本をグローバル企業に支配させ、
大半の国民の生活を貧しくさせようとしていることです。
グローバル企業にとって、日本の国内産業(中小企業中心の)や
日本の労働者を守っている法律や規定は邪魔でしかない。
そのため、TPP協定を結んだ日本政府は、協定内容に従って政策を実行するしかありません。
なぜ地上波で、こうした国民の生活に直結する報道が出てこないかと言えば、
スポンサーと報道の方向性は一致しているからです。
主要スポンサーに大手製薬企業を抱えている地上波でTPPの医療への影響がほとんど出てこない(p259)
のは当然で、
国民に不利益をもたらす重要情報であっても、スポンサーにマイナスな情報は地上波では流れません。
個人的に、国民の健康や命を犠牲にして儲ける外資系グローバル企業に対して、
地上波やSNS等でマイナス発言をしない知識人は、
どれだけ社会的地位が高くても、立派な学歴・経歴を備えていても、万単位のフォロワーがいても、
信用できません。
社会的弱者の立場にたって発言しない知識人は、それが仕事になっている可能性が高く、
権力側の御用人(=政府広報)でしかないからです。
少し読んだ後、あまりに絶望する内容が続いたので、希望を求めて先に「袋とじ」を読みましたが、、、
さらに絶望しました。
今後TPPによって薬の価格が高騰し、国民皆保険制度が形骸化し、
で書いたアメリカのような状況になるのではないかと思うと、めまいがしてきます。
TPPで
「国民皆保険は影響を受けません」「TPPで薬の値段は上がりません」(p261)
と日本政府は繰り返していますが、
対米隷属日本政府のこれまでの行動を見れば、その言葉が信用できないのは当然です。
厄介なのはTPPにあるISDS条項で、これは
企業が投資先の国の国内法によって損害を受けたと判断した際、その国の政府を第三者機関に訴えられる(p255)
もの。
結果、現在各国間でISDS訴訟が多発しているそうです。
訴えられたら数億円の裁判費用、裁判で負けたら数百億円の賠償金支払いが(100%負ける)必要になります。
それらはすべて税金で賄われるわけで、、、どうしても国家破産の未来が見えます。
他にも、ラチェット規定、NVC条項、未来最恵国待遇、内国民待遇などがありますが、、、
知れば知るほどTPPは、グローバル大企業や投資家だけが得をする協定だと分かります。
TPPの全文仮訳は7821ページもあるそうですが、、、
日本政府が行っている政策は、ほぼこれに沿ったものなので、、、
今後日本社会がどこへ向かうのか知るためにも、少しずつでも読もうと思います。
今更ですが、
のように重要な法律が廃止されたり改悪されたりしたのも、TPPに沿ったものだったと合点がいきました。