で紹介した、『原子力発電で本当に私たちが知りたい120の基礎知識』(広瀬隆 藤田祐幸、2000)。
続けて紹介するつもりだったのですが、原発推進者に対する怒りが収まらず中断。
以前紹介した『原発列島を行く』を読むだけでも怒りがすごかったのに、いまだに原発・再処理・プルサーマル・中間貯蔵施設・最終処分場などの原子力関連施設の建設を推進している人々の無神経な言動を知ると、その人々に向かって「人〇〇し!」と叫びたくなります。
しかしながらそこまで無神経でいられるからこそ、地震大国の日本で、原発事故発生後も原子力発電を推進できるのかもしれません。
もちろん利権云々もあると思いますが、
無神経だからこそ、何十年も反原発で戦っている住民に対して、無神経な言動ができる。
無神経だからこそ、姑息なやり方で各地の住民を分断してきた各電力会社や国の肩をもてる。
無神経だからこそ、隠蔽も含めて原子力施設内で事故やトラブルが続出してもなお、原発を含めた原子力関連施設がいまだに「安全」だと言える。
のだと確信しています。人を人とも思わない人々の集まりです、、、
日米原子力協定を結ばせたアメリカが、日本へ原発を輸入させ始めたころ、
原発先進国の欧米諸国でいくつかの原発事故が起こっていますが、当初は大半が隠蔽されています。
そうした原発事故が公になると、IAEA(国際原子力機関)含む世界中の原子力発電関係者の利権が奪われてしまうため、各国は暗黙の了解のように原発事故を隠蔽してきたのでしょう。
廃炉処理や放射性廃棄物処理にかかる費用は、消費者の電気代に上乗せされるため、原発を稼働し続ける限り、電気代は永遠に上がり続けます。
よって、「電気代が上がらないように原発再稼働すべき」という主張は通りません。
また「電気不足を解消するために原発再稼働すべき」という主張も、2014年夏に全原発が停止していたのに電力不足が起こらなかったため、通りません。
そもそも原発による電力が使えるのは、ベースロード電力(深夜最小電力以下の電力)のみ。
にもかかわらず、他の発電方法と比較にならない危険を冒してまで原発稼働を続ける理由は、
日米原子力協定と原発利権、原子力の非平和利用以外見当たりません。
日本における原子力推進者(工作員も含む)は以下の現実を直視し、
- 日本は原発を運転し続けるだけの技術を持たない(元原発技術者・平井憲夫氏)
- 最終処分場が決まっていない
- 地震大国・日本では原子力発電は適さない
- 事業費として税金を1兆円以上もかけたのに、現在1ワットも電力を生み出さない高速増殖炉の維持に、今も年間約200億円の税金(1日5000万円)をかけていることは浪費である
- 事業費として税金を14兆円以上もかけたのに、17年経ってもトラブル続出で運転できていない再処理工場は、今後も浪費だけして運転できない可能性が高く、危険性が高いため撤退すべきである
即刻、原子力発電からの撤退を表明することが不可欠です。
仮に、原子力発電にかけている莫大な税金を公教育へ投入すれば、
国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出の割合(2019年時点)が、37か国中36位である現実から改善できます。
それだけでなく、原子力発電にかけている莫大な税金を社会保障費に投入すれば、
健康保険料や年金保険料、介護保険料も下げられ、年金受給開始年齢を元に戻すことも可能になる。
それだけの莫大な税金=計数十兆円を、原子力発電へは投入しているのです。
それ以前に、このまま教育にきちんと税金を使わないままだと、今以上に無神経な人間が増えて、原発を含めて日本列島と日本人を虐げる政策を強行する日本政府を止められず、
日本はどんどん荒廃していく可能性が高いと思います。
【追記】約20年にわたって福島、浜岡、東海などで14基の原発建設を手がけた現場監督で、長年の被ばくによるガンのため1997年に58歳で亡くなった平井憲夫氏のインタビュー記事