の続きです。
前回、大西洋憲章(=アメリカ・イギリス共同宣言)について少し書きましたが、、、
これは1941年に、第二次世界大戦後の戦後処理構想や国際協調のあり方を、
アメリカ大統領とイギリス首相が会談して合意した憲章なのですが、
この共同宣言はその後、ソ連と中国(中華民国)を取り込んだ後、26か国からなる軍事協定(連合国共同宣言)になっています。
その軍事協定(連合国共同宣言)は、英語でDeclaration by United Nations。
そう、今や200か国近い加盟国をもつ国際連合(United Nations)へと繋がっていくものなのです。
その軍事協定(連合国共同宣言)では、
日本、ドイツ、イタリアなどのいわゆる枢軸国に対し全力で戦うこと、他の署名国と協力すること、単独で休戦したり講和したりしないことが合意され(p202)
たのですが、この加盟国は
大戦末期までに四七ヵ国に増え、さらに戦後は憲章をつくって国際機関に衣替えし、現在は二〇〇ヵ国近い加盟国をもつ「国際連合(United Nations)」となってい(p202)
ます。
国連のはじまりが、大西洋憲章(=アメリカ・イギリス共同宣言)にあり、
その本質は、あくまでも「英米同盟」を中心とした世界運営に(p202)
あることが、戦後世界なのです。
現在、国連の安全保障理事会常任理事国は、ダンバートン・オークス提案を作成した四ヵ国(Big Four)にフランスを加えた五ヵ国となっています。(p210)
ダンバートン・オークス提案とは、アメリカ、イギリス、ソ連、中国(中華民国)の四ヵ国協議によってつくられたものなのですが、
この五ヵ国だけが、国連のなかで「拒否権」という絶大な特権をもっている。憲章で主権平等の原則(第二条一項)をうたいながら、他の加盟国とはあきらかな格差があるのです。(p210)
こうした格差から個人的に予測してしまうことは、上があるなら下もあるということです。
それが、「敵国条項」。
私たち日本人が知らなければならないのは、戦後世界にはもうひとつ、とんでもない差別があるということです。それが敗戦国である日本やドイツを対象とする、いわゆる「敵国条項」(国連憲章第五三条、一〇七条)です。
(p210)
この条項により、
戦後日本は国際法上もっとも下位の位置から、再スタートを切ることになったのです。(p210)