の続きです。
そもそもアメリカが日本を占領したのは、ポツダム宣言にあるとおり、日本を自分たちの国益にかなう形で国家改造することが目的でした。大きな目標はふたつあって、ひとつは日本を「二度と自分たちに刃向かう可能性がない国」に改造すること、もうひとつは「民主的な国」に改造することでした。(p141)
今回この本で、「戦後世界」の原点といえる非常に重要な文書、
大西洋憲章(正式名称は「イギリス・アメリカ共同宣言」)の現代語訳を読みましたが、
同時に、「戦後日本」の原点である重要文書、ポツダム宣言のことにも触れられていたので、
こちらはネットで見つけた現代語訳を読みました。
外務省にも訳が載っていますが、外務省の仮訳はかなり読みづらく、、、
国民にこの内容を知られると何か不都合があるのか、と思えるほどでした。
というのも占領期につくられた重要な文書はすべて、最初は英語で書かれました(GHQの許可がないと決められなかったため)。
そのため英語で書かれた後、
日本語の条文は「正本に対する副本」という関係(p187)
で、仮訳をつける形がとられていたのです。
しかしながらそのシステムは独立後も続き、
実質的には現在も、日米間の重要な取り決めは、すべて英語が正文、日本語は「仮訳」、つまり仮に訳しただけで、正式なものではないという形(p187)
になっているそうです。
そんなポツダム宣言の現代語訳ですが、
日本は第二次世界大戦後、本来であれば支払うべき巨額の賠償金を支払っていないため、
日本はその産業の維持を許されるものとする。そして経済を持続するものとし、もって実物賠償の支払いにあつべきものとする。この目的のため、その支配とは区別する原材料の入手はこれを許される。世界貿易取引関係への日本の、将来の参加はこれを許すものとする。
出典:http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/potsudam.htm
というポツダム宣言第11項(原文はこちら)で書かれている「実物賠償の支払い」は、
日本政府が海外にバラまき続けている税金のことなのではないか、、、?等と考えてしまいました。
そんなポツダム宣言は先に書いたように、戦後日本の原点ですが、
後に紹介する、1952年に発効されたサンフランシスコ講和条約も、現在日本が置かれている状況を知るうえで非常に重要な文書といえます。