時代が変わってもほとんど変わらないタテ社会

実家を片付けた際に大量の本も処分しましたが、処分せず神奈川の自宅に持ち帰ったものもあります。

その中の1冊が、繰り返し読んでいる中根千枝氏の『タテ社会の人間関係』。

この本は、1967年に発行されて以降2005年までに117刷もされているベストセラーで、日本社会の構造を具体的に説明していて、とても理解しやすく読みやすい本です。

毎回読むたびに「そうそう」と頷いています。

日本社会の特徴や弱点をよく突いているんですよね。

特に、日本人、日本社会、日本の文化に国際性がない原因を、

論理より感情が優先し、それが重要な社会的機能をもっている」ことに依拠している点は、ハッとさせられます。

こういう点からも、日本でテレビ(特にワイドショー)を見るのは特に危険だなぁと思ってしまいます。感情に訴えかける戦法なんですよね。

学校教育でも、職場でも、地域社会でも、お店でも、日本人が2人以上の集まる場の多くは、論理よりも感情を優先させてしまう傾向が強いと思います。

明確な決まりごとが存在しない組織が多い理由も、能力を持つ者よりも組織内の権力者やその近親者が優遇される理由も、感情優先社会だからでは?と思うことが多いです。まぁ利権もありますが、、、

また、いろんな場所で見かけるクレーマーが減らないのも、クレーマーの感情を優先させてしまう社会だからだと思っています。

感情ではなく論理を優先させる社会になれば、随分マシな社会になると思いますが、たぶん日本では難しい気がします。

海外では感情よりも論理を優先させる社会が多いらしいので、感情優先の日本社会で生きづらさを感じている人にとっては、もしかすると生きやすい社会になるのかもしれません。