塩分の摂りすぎは、長年体に悪いと言われてきました。
しかしその結果、体に必要な塩分まで摂取しない傾向が強まり、深刻な健康被害へと繋がっています…
「塩分」と一括りにしても、その内容は「天然塩」か「塩化ナトリウム」かで異なります。
「天然塩」にはカルシウム、マグネシウム、カリウムが含まれますが、「塩化ナトリウム」にはこれらのミネラルは含まれません。
それは、「塩化ナトリウム」が薬品だからです。
ひと昔は、食塩=塩化ナトリウムとの認識でしたが、近年は天然塩でも塩化ナトリウムでも「食塩」と記載されることが増えているため、原材料表示では見抜けない場合もあります。
塩化ナトリウムを塩と偽る
日本が「塩」を専売制にしたのは1905年。それは日露戦争の戦費調達のためでした。
戦後もこの制度は続き、1949年に日本専売公社が設立されて以降、精製塩化ナトリウムが「塩」の名で国民に浸透していきます。
その後1971年、政府は海の汚染や低コストを理由に、塩田を廃止して、海水の淡水化や工業用の塩を作るための技術だった「イオン交換膜透析法」を全面導入させました。
これは、塩業近代化措置法を発令しての国策事業で、これにより純度99%を超える塩化ナトリウムが「食塩」として定着することになったのです。
塩化ナトリウムの流通
しかしながらこの製法では、海水に含まれる約60種類ものミネラルが完全に排除されてしまい、「塩」ではなくただの「塩化ナトリウム」になってしまうのが問題でした。
それは塩化ナトリウムが、体に悪影響を与えるだけでなく栄養価もない物質だからです。
しかし、当時の政府は「ミネラル成分は他の食品から摂ればよく、塩から摂る必要は無い」と退けました。
日本専売公社は当時大蔵省の管轄であり、イオン交換膜メーカーとの利権がらみもあったとされていますが、国民の健康よりも経済を優先させる姿勢は現状と何ら変わりません。
外食・中食産業で使われている塩は、ほぼ塩化ナトリウム
その後、1997年に塩の専売法が廃止。
現在は製造・販売・輸入が自由化され、デパートなどにも数百種の塩が並ぶようになりました。
しかしながら、食品売場にはいまだに「塩化ナトリウム」も並んでいます。
さらに、例え自宅で使う塩において「塩化ナトリウム」を避けられたとしても、外食店が天然塩を使っている例はほとんどなく、加工食品にもコスト面から「塩化ナトリウム」が使われていることが多いのです。
つまり、よほど食生活に気を付けない限り、「塩化ナトリウム」を避けること自体が困難なのです。
精製塩は塩化ナトリウムという薬品
しかし、一般的な精製塩や食卓塩は「塩化ナトリウム」であり、精製糖と同じく高純度の化学合成物質。
これは食品ではなく薬品であり、精製糖と同じく体に悪いものです。
塩は生物に不可欠な物質のため、摂取しなければ命の危険までありますが、それは「天然塩」の場合。
政府が浸透させてきた、塩=塩化ナトリウム=精製塩=食卓塩は薬品のため、減塩どころかもともと摂る必要がないものなのです。
天然塩は過剰摂取できない
厚生労働省は、塩分摂取量を1日10グラム以下と推奨していますが、どの食品にも必ずといっていいほど塩分が含まれているため、厳密に摂取量を計算すること自体不可能です。
そして重要なことは、天然塩はその人の上限量を超えれば、カラダが自然と拒否反応を起こし、それ以上食べられなくなる性質があること
つまり、天然塩はもともと過剰摂取できないものなのです。
ミネラルバランスが重要
重要なのは、ミネラル同士の比率にあります。
天然の食品には、必ず絶妙なミネラルバランスがあるといわれています。
例えば、カルシウムが大切なのはよく知られていますが、カルシウム単体では体内機能に何の役にも立たないことは知られていません。
カルシウムはリンやマグネシウムとの比率が保たれてこそ、体内で有効成分になるミネラルなのです。
それと同じく塩も、「塩化ナトリウム」では体内で害になってしまうため、「天然塩」として体内に取り入れる必要があるのです。
塩化ナトリウムを摂取させた罪は重い
直近30年で日本人のミネラルバランスは、肉食による脂肪過多と、精製糖、精製塩である「塩化ナトリウム」によっておかしくなってしまったといわれています。
政府が天然塩のミネラル成分を排除した製法を強制したことも問題ですが、「塩化ナトリウム」に害がある事実を知った後も「塩化ナトリウム」の生産を止めず、
多くの国民に「塩化ナトリウム」を摂取させ続けていることが大問題です。
同時に、塩分の摂りすぎが高血圧や様々な病気をもたらすと吹聴し、多くの国民を天然塩から遠ざけたことは重い罪があると思います。
天然塩を摂取しなくなった結果、日本人の体は弱くなり、同時に病気がちになった可能性が高いからです。
もちろん他の理由もあると思いますが…
高血圧と食塩
さらに最近では、塩分摂取と高血圧に因果関係は無いことが分かってきました。
にもかかわらず、厚生労働省はいまだに減塩を推奨しています。
根拠にしているのは、アメリカ医学の成分分析表で、1953年にアメリカの高血圧学者のメーネリーという人がネズミを使った実験で、塩が高血圧の原因であると結論付けました。
さらに、同じアメリカの学者ダールが、日本の都道府県別に塩の摂取量と高血圧の発生率を調査し、東北地方に高血圧が多いのは塩の摂取量と一致すると発表しました。
しかし、この説に疑問を抱く学者も多く、日本の青木久三氏はメーネリーの行った実験を何度も繰り返し、血圧と塩の摂取はほとんど関係ない事を証明しています。
また、ダールは後日、詳細に追跡調査した結果、塩と高血圧の因果関係は無く、「東北地方に高血圧が多いのは塩の摂取量と一致する」とした最初の調査が誤りだった、と自ら発表しているのです。
自分で情報を集める
そうした経緯があるにも関わらず、日本では塩=高血圧が定着してしまいました。
長年、厚労省や医者、政府が言う内容を鵜呑みにしてきた人ならば、この記事の内容は信じられないかもしれません。
おそらく今まで通り、減塩タイプを選び続けるかもしれません。
が、自分や家族の健康を維持したい場合は、政府が言うことを鵜呑みにせず、自分で集めた情報をもとに生活したほうがいい気がしています(「「テレビ」は観ない「大手新聞」は読まない」)。