何度もご紹介している『人類が生き残るために』(浅野晴義、1979)の内容。
今回は食品添加物に関する箇所を引用します。
意識して食生活を営まなければ大量の添加物を摂取しかねない日本社会ですが、それだけ避けるのが難しいものでもあります。
日本では輸入柑橘類のため、この二年の間に新たに認可されたOPP(オルトフェニルフェノール)およびTBZ(チアベンダゾール)の防カビ剤を含めて三百三十四種類の食品添加物が許可されている。(p27)
添加物の中には毒性の強いものや、比較的無害なものなど様々な種類がありますが、薬の中には相乗作用で危険性が高まるものもあるため、それ単体で無害だから安全とはいえません。
たとえば、OPPの遺伝毒性はカフェインが加わると三倍になるといわれる。重金属である鉛、カドミウム等が存在すると、ある種の薬物の毒性は何倍も強くなるという実験もある。日本人の腎臓には北欧人の三倍ものカドミウムがたまっているといわれる。ガソリンに添加される四エチル鉛から、日本人の鉛の体内保有量がかなり多量であることも知られている。
このような相乗作用まで考えると、三百三十四種の食品添加物が体内に入った時、どうなるのか、その慢性毒性、遺伝毒性については誰にも分からないのである。
*四エチル鉛…ガソリンのオクタン価を高めるために使われた。急性毒性が強く、体に大量吸収されれば錯乱、昏睡となる。ガソリンと共に燃えると酸化鉛となる。(p27)
以下、本書で紹介されていた製パンに許可されている添加物を抜粋します。
- 漂白殺菌料…過酸化ベンゾイル
- 保存料…プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム
- 糊料…メチルセルローズ
- 組織膨化料…ステアリル乳酸カルシウム
- 膨張剤…炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、グリコーデルタラクトン、酒石酸水素カリウム、塩化アンモニウム
- 乳化剤…グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル
- タール色素…食用赤色103号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、青色2号
- 着香料…エチルバニリン、エナント酸エチル、オイゲイル、カプロン酸、クマリン醋酸エチルシトラール、ノナラクトン、マルトール等
- 酸化防止剤…BHT、BHA、エルソルビン酸、エルソルビン酸ナトリウム
- 調味料…グルタミン酸ナトリウム
- 離型剤…流動パラフィン(p29)
*BHT …ブチルヒドロキシトルエン。酸化防止剤としてプラスチックをはじめ、食品添加物としてバター、チーズ、マーガリン、サラダオイル等の油脂、干物等々に広範囲に使われている。最近では、包装紙からスナック菓子等への移行も問題となっている。(p43、44)
製パンに許可されている添加物だけでもものすごい量です、、、日本人の食品添加物摂取量が世界一というのも頷けます。
官僚と添加物関連企業との癒着が凄いのかもしれません。
ちなみに、タール色素=合成着色料だったことを初めて知りました、、、
製パンに許可されている添加物の中で、
漂白殺菌料の過酸化ベンゾイルは、私たちからみれば危険でこそあれ不要なものである。これを業者が使うのは、パンが白くなって売れるからだけでなく、よくふくらみ歩どまりがよくなるからである。無漂白のパンなら十コのものが、ベンゾイルを使うと十二コ位に増えるといわれる。(p30)
上記を読んでいて、薬で海老を膨らませて大きく見せる手法を思い出しました。
こんなことが一般的に行えるのなら、歩どまりを上げるために様々な食品で、同様なことやこれ以上のことが起こっていても不思議ではないですよね、、、
長くなるので、続きは添加物まみれの食品は危険なので避けたい【後編】へ。