田舎暮らしの注意点 ー 農村社会は閉鎖的な相互監視社会

程度は違えど、どの時代にもさまざまな問題があります。

過去の各時代の良い面を集めて活かすことができれば理想ですが、容易なことではないですよね…

でもだからといって、「昔は良かった」などと過去のある時代を美化するのは恐ろしいと思います。

それはただ懐かしむだけではなく、部分的に美化された面に焦点を当てて、作られた歴史を正当化する可能性もあるからです。

相互監視社会

そんな中で気になるのは、最近、田舎移住を進める流れがあること。

私は将来的に地方都市の駅近住宅に住もうと考えていますが、山深い田舎の農村地域に住みたいとは思いません。

なぜなら、実家周辺地域がそうだったから。そこでの生活の不便さや理不尽さを挙げればキリがありません…

そして、そうした地域の多くが閉鎖的村社会・相互監視社会であることが多く、そんな集落から離脱する人間も数多くいました(私もその1人です)。

私が住んでいた地域では特にその傾向を強く感じましたが、いまだに変わっていないようです。

30代になり人生の半分以上を都会で過ごすようになると、いかに自分はあの地域に合わせられなかったかが分かります。

地域の権力者に従わなければならない

多くの田舎によくあることは、その地域における権力者の意見は絶対視されており、時代錯誤の間違った意見もまかり通っていることです。

また、男尊女卑思想がいまだに根強い場合が多く、女性が地域の集まりで意見することは好ましく思われないどころか、夫が先立って男性がいなくなった家は低く見られ、軽く扱われることさえあります。

そして地域全体で、回覧板制度や道路整備、ゴミ拾い、意味不明な出費(おかしな募金)などが、いまだに半強制的に行われており、容易に家を空けることさえままならない状況があるのです。

閉鎖的村社会

私は保育所から高校まで公立・県立ですが、その全てで制服があり、着用が義務付けられていました。

私立でもないのに、高額な制服を着用させられていたのです(今もそうだと思います)。

それは閉鎖的村社会特有の、癒着や新しい価値観を取り入れようとしない風土、前例主義などが影響していると思います。

そうした時代遅れも甚だしい価値観が蔓延している田舎に、都会からの移住者を募るべきではないと思います。

もちろん先進的な田舎もありますが、そうでない田舎の方が圧倒的に多い印象です…

仮に田舎に住みたいと考えている人がいるならば、なるべく地域内外に人の流れ(電車、バス、船、飛行機など)が頻繁にある土地を選んだほうがいいと思います。

人の流れがある地域なら、そこまで閉鎖的でない可能性が高く、比較的住みやすいと予想できるからです。

閉鎖的村社会は移住者がいなければ永遠に変わりませんが、移住者が少数の場合は移住者側が大変な思いをするだけで何も変わりません…

そのため、田舎への移住を推進する組織の方々は、田舎住民を圧倒するほどの移住者数を募れる魅力ある田舎になるよう、田舎自身を改革するのがまず先だと思います。