の続きです。
日本は、国民の権利よりも米軍の権利を優先する、という法的構造を確立してしまった砂川判決。
この判決を下したのは、当時最高裁判所長官であった田中耕太郎ですが、なんと
この砂川裁判の全プロセスが、検察や日本政府の方針、最高裁の判決までふくめて、最初から最後まで、基地をどうしても日本に置きつづけたいアメリカ政府のシナリオのもとに、その指示と誘導によって進行したということです。この驚愕の事実は、いまから六年前(二〇〇八年)、アメリカの公文書によって初めてあきらかになりました。
判決を出した日本の最高裁長官も、市民側とやりあった日本の最高検察庁も、アメリカ国務省からの指示および誘導を受けていたことがわかっています。(p44、45)
当時、田中耕太郎は裁判期間中、アメリカ側に裁判情報を漏洩していたそうで、、、
最高裁判所長官がそのような状態なら、司法の独立どころか三権分立の形骸化は言うまでもない気が。
現に、砂川判決以降、
日本の最高裁は政府の関与する人権侵害や国策上の問題に対し、絶対に違憲判決を出さない(p48、49)
立場をとっています。
結果、国会(立法権)、内閣(行政権)、裁判所(司法権)の中で、
裁判所(司法権)が内閣(行政権)に忖度しているため、内閣(行政権)の暴走が続くことになっています。
ちなみに、砂川判決によりアメリカに多大な利益をもたらした田中耕太郎はその後、国際司法裁判所判事など華麗な経歴を残してこの世を去りました。
明治以降、日本の政治指導者や知識人には、自分の出世のために日本と日本国民に不利益を与えた人間が数多くいますが、
その多くがアメリカの利益のために躍動した後、華麗なる経歴を重ねています。
ただ、戦後の占領期とはいえ、
国民の権利という、国が最も守るべきものを最高裁判所長官という立場にありながら、
アメリカに売ったこの人間のことは、広く国民に知られる必要があると思います。
なぜなら、砂川判決がその後もたらしてきた日本国民に対する不利益と人権蹂躙は、計り知れないほど大きいからです。
在日米軍によって日本全土が治外法権になり得ることは、
日本国民の基本的人権だけでなく、国民主権も侵害される可能性が高い。
そうした背景を踏まえて、今もなお日本の国益よりもアメリカの利益を優先する政策が続いているのを見ると、
今後も日本に住み続ける危険性を痛烈に感じてしまいます。