ぺんぎんメモ

薬漬けなのは人間だけではない【養殖魚】

time 2019/03/20

薬漬けなのは人間だけではない【畜産物】で薬漬けとなっている畜産物についご紹介しましたが、今回は養殖魚についてです。前回同様、『人類が生き残るために』(浅野晴義、1979)から抜粋します。

日本列島の周辺は、今でもPCBに汚染されている。PCBは一時期大変に騒がれ、魚にPCBが含まれるという報道に、魚屋さんの魚が全く売れなくなった時期があった。今では誰もが忘れてしまったようである。しかし、現在製造中止にはなったものの、環境中にばらまかれたPCBがなくなるには五百年以上かかると計算されている。今でも母乳中のPCB含量は増加しつづけているそうである。

このPCBがはじめてつくられたのは百年も前のことである。熱にも強い、安定した絶縁体としてのPCBは技術者が自慢する代物であった。そのことは、いったん毒性がわかってみるとそのまま欠点となる。環境にばらまかれたPCBは容易に分解されず、食物連鎖を通して濃縮されてくる点はDDTと同様である。列島沿岸の魚は、このPCBに汚染されているばかりでなく、工場や家庭廃水に含まれる重金属や合成洗剤、その他の汚染化学物質の影響を受けているとみなければならない。

そのために背中のまがった奇形魚とかオバケハゼといったものが増えている。場所によってはこうした魚が、釣り上げられる魚の四十%も占めるという。もちろんこれ等奇形魚は市場に出ないわけで、この奇形魚が養殖ハマチのエサになっているとの噂がある。学校給食やねり製品にまわっているとの話さえある。

養殖魚の問題は、こういった点だけではない。病気の発生を防ぐためにエサに大量に抗生物質が混ぜられている。食品添加物としては禁止になった殺菌剤AF2と同様のものが、飼料用には許可されたままである。AF2の水産用薬品が二つの製薬会社でつくられ、餌といっしょに使われている。

ウナギの養殖でも、何年も前から大量の抗生物質がエサに混ぜられている。ウナギを早く太らせるために、たんぱく同化ホルモンという黄体ホルモンの誘導体である合成ホルモン剤まで使われている。

こういった点から考えると、養殖魚よりは、まだ自然の海でとれた魚の方が安全であろう。しかし、近海ものの魚の中では、汚染のひどい海でとれたものほど危険が大きいといえる。

近頃では、市販されるアサリにまで、貝殻の曲りくねった奇形アサリが高率にみられることがある。アメリカの東、西部の海岸、河口に棲む貝のうち、種類によっては十五%もガンにかかっているという資料が公表されている。日本ではこういった資料はないようであるが、日本沿岸の汚染はアメリカ以上にすすんでいるとみてよいであろう。

どちらかといえば、遠洋ものの魚の方がまだしも安全といえるのであるが、冷凍運搬の過程で抗生物質や酸化防止剤BHTを使うことが多いので一概に安全とはいいきれない。

*PCB …ポリ塩化ビフェニルのことで、人工的に作られた、主に油状の化学物質。

*DDT …ジクロロジフェニルトリクロロエタンのことで、かつて使われていた有機塩素系の殺虫剤、農薬。(p25、26)

上記文章を読むと、「肉より魚のほうが身体に良い」とは言えないと思います。もちろん場所によって海洋汚染状況は異なると思いますが、プラスチックゴミが海洋生物に与えている様々なダメージを知ると、もはや海全体が汚染されているように思えます。

食品添加物としては使用禁止になったAF2が、飼料には使用されているという事実をどれだけの人が知っているのでしょうか?養殖魚を摂取する人間の身体に安全なわけがありません。日本には他国の食環境を揶揄するメディアがありますが、自国の現状を知らないから指摘できるのでは?と、見ていて虚しくなります…

個人的には魚介類は苦手ですが、夫のために西日本産や瀬戸内海産のものをたまに買っています。でも産地だけ気を付けても、もはや危険かもしれませんね…

野菜は農薬・化学肥料まみれ、肉は抗生物質・殺菌剤まみれ、そして魚も同様という環境では、かなりの食費をかけないと安全な食生活を送れないでしょう…

そんな環境で食の安全を確保するには、有機栽培や無農薬栽培の農産物を購入するか自分で育てるかして、それ中心の食生活にするのが1番手っ取り早いかもしれません。ただそれだと肉と魚は少量摂取となる可能性が高いので、好きな人にはキツイ選択ですよね…

とはいえ、このまま危険を直視しない食生活を送っていると、遅かれ早かれこの列島には病人しかいなくなり、まともな生活を送れない人ばかりになってしまう可能性があります。

今のところ日本は平均寿命の高さを誇っていますが、現代の高齢者とそうではない世代とでは、幼少期の食生活が異なります。それゆえ、現代の子どもが現代の高齢者と同程度の平均寿命を得られるかどうかは不明です。平均寿命よりも約10歳低い健康寿命は、今後徐々に下がっていくのではないかと思っています。

もちろん、平均寿命や健康寿命だけが人生の満足度・幸福度を表すものではないので、下がったからマイナスとは言えません。それに危険な食生活を送っていなくとも、他の面で身体に有害な生活を送っていれば、各寿命も短くなる可能性があります。

ただ、人生で健康に生きていられる期間が減るのはあまり喜ばしいとは思えません…それが進化の流れといわれればそれまでですが、できるだけ未来の子どもたちが安全性の高い食を享受できるように、現代に生きる消費者が安全な食を選択する必要があると思っています。

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奨学金完済を目指しながら、旅、食、自然、心理、(セミ)リタイア、海外移住など追求して自由に暮らしています。

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