【3泊4日はじめての台湾旅行・3日目③】故宮博物院南院で見惚れた宋・明・清代の収蔵品(器)

【3泊4日はじめての台湾旅行・3日目②】高鐵嘉義駅から免費バスで故宮博物院南院へ
のつづきです。 高速鐵道(新幹線)嘉義駅到着後、故宮博物院南院へ向かうため駅2番出口からバス乗り場へ。 出口を出てバス乗り場へ行く途中、客引きのようなおじさんに「どこへ行くのか」声をかけられたのですが、 客引きと判断した夫と私は無視… そう...

のつづきで、展示品の紹介ばかりになります…

清 乾隆 掐絲琺瑯兼畫琺瑯罐

こちら、豪華な金メッキの蓋、縁に珊瑚、ラピスラズリ、ターコイズがはめこまれたチベット風茶缶だそう(チベット人は混ぜたバターティーを陶器のティーポットに注ぎ、熱いうちに飲むらしい)。

西洋女性を描いた、飾り窓風の装飾が掐絲琺瑯の間にはめ込まれています。

豪華絢爛すぎて、日本のわびさびとは真逆…

乾隆時代の琺瑯器は、画琺瑯や内填琺瑯、掐絲琺瑯などを組み合わせた品だけでなく、はめ込み式装飾まで加えられているからとてつもなく豪華です。

清 乾隆 掐絲兼繪琺瑯多穆壺、清 乾隆 金胎掐丝珐琅嵌画珐琅执壶

左の掐絲兼繪琺瑯多穆壺は、乾隆時代の七宝急須で、清朝時代の満州族がミルクティーを入れるために使用していたそう。

現代からは想像できない急須の形です…

右の金胎掐丝珐琅嵌画珐琅执壶は、乾隆様式の七宝水差しで、本体はゴールドで蓮の花が装飾されており、七宝焼きと絵付け七宝焼きの二つの技法が使われているそうです。

埋め込まれている七宝絵付けでは、西洋貴婦人や風景などが描かれており、真珠や珊瑚も散りばめられていて水差しとは思えないほど豪華です。

清 乾隆 金胎掐絲琺瑯嵌画琺瑯花瓶

描かれている絵自体は西洋色が強いですが、それ以外の部分は中国風なのが面白いです。

飾り窓風の絵が描かれていると一気に華やかさUPですが、乾隆時代の品はどうも装飾が過剰に感じてしまう…

清 乾隆 金胎內填琺瑯番蓮紋碗(康熙款)

ゴールドの本体にエナメルが充填されており、本体の釉薬層がわずかに剥がれているのが金胎內填琺瑯番蓮紋碗(康熙款) 。

こういう品々が宮廷に並び日常的に使われていたことを想像すると、仕える人々は大変だっただろうなぁと考えてしまいます…洗うのとか、運ぶのとか、仕舞うのとか。

清 乾隆 金胎掐絲琺瑯嵌畫琺瑯花鳥杯盤

こちらの金胎掐絲琺瑯嵌畫琺瑯花鳥杯盤も、七宝焼きと絵付け七宝の2つの技法を使って作られているそう。

ちなみに、カップとプレートのセットは非常に貴重だそうです。

清 乾隆 掐絲琺瑯花卉紋蓋爐

清 乾隆 掐絲琺瑯番蓮紋雙螭耳蓋籚

清 乾隆 掐絲琺瑯鳧尊

清 乾隆 掐絲琺瑯鳧尊

特殊な形状、安定した重心、難しい技術が使われた急須は周福の鳥を模倣していて、平和の歌を歌ったり、宴会や飲み物の際に使用したり、展示器として使用したりしていたそう。

清 乾隆 掐絲琺瑯龍紋暖硯

こちら硯には見えない外見ですが、寒い冬にインクが固まるのを防ぐため、台の下のスペースにお湯や炭の灰を入れて使う「暖硯」と呼ばれる硯だそう。

ゴールドと色鮮やかな装飾、キラキラの絵が、ビックリマンシールのスーパーゼウスみたいでした。

十五世紀 掐絲琺瑯番蓮紋洗(景泰款)

唐 長沙窯 緑釉単柄壷、唐 驪山石單柄壺

唐の時代には、すでに現代と同じような急須があったんですね。

唐 邢窯 白釉璧型足茶碗、晚唐一五代  邢窯 白瓷茶瓶

いろいろ凄すぎて感動が麻痺してきました…

清 青玉雕八仙茶壺

清の時代に作られた翡翠製の急須には、実際に使用されるものだけでなく装飾的なものもあったそう。

南宋 吉州窯 黑釉木葉紋茶盞、北宋 定窯 牙白劃花回紋茶托、南宋 哥窯 灰青葵口茶碗

南宋 官窯 青瓷葵口茶盞、南宋 龍泉窯 青瓷敞口茶盞、北宋一金 定窯 牙白劃花敞口茶盞

南宋 福建 黑釉茶盞、南宋 茶洋窯 醬釉茶盞、南宋 建窯 醬釉兔毫紋茶盞

南宋の器が美しすぎて溜息。

どれも形・色・デザインが素晴らしかったです。

清 雍正 胭脂紅白裡暗龍紋茶圓、松石綠茶盃、青花嬰戲圖茶壺

青花嬰戲圖茶壺に描かれている子どもたちの表情が、穏やか&躍動感あふれる様子で素敵でした。

清 乾隆 描紅荷露烹茶詩茶碗、青花御製詩三清詩茶碗

清 白玉方壺、白玉茶鍾

真っ白な翡翠を使った茶碗が美しい!

清 雍正 瑪瑙茶盃 瑪瑙茶盤、清 雍正 瑪瑙茶鍾

メノウ製の茶碗も美しくてうっとり。

清 雍正 琺瑯彩節節雙喜茶壺、琺瑯彩墨竹白地茶鍾、冬青釉茶葉罐

左の2つは陶磁器だと思っていましたが、画像を見返していて琺瑯器と知りました。

清 嘉慶 翠玉茶碗帶銀鍍金托蓋、翠玉蓋碗

日本 桃山時代 美濃窯 信野甲紋茶碗 銘「春錦」、日本 桃山時代 備前窯 火襷紋水罐

日本のものも。

元 茶洋窯  醤釉茶盞

日本 室町時代 15世紀 足利義政 短歌短冊

戦国中期 犠尊

龍馬負圖(二件)

わずかに緑がかった翡翠を使った彫刻品。

清中晩期 雲龍仙鶴觚形瓶、清 仙鶴

雲龍仙鶴觚形瓶、仙鶴はどちらも白い翡翠で作られていて、その細やかな彫刻が美しかったです。

1階には軽食店やお土産屋さんがあった

3階から観賞しましたが、建物の構造上、最後2階ロビーに戻るのが少し分かりずらかったです。

ただ、館内には従業員が大勢いて、とても親切に案内してくれたので快適に観賞できました。

南院では宋・明・清代の器を数多く見れましたが、スペースのわりには北院よりも展示品が少ない印象。

いろいろ事情があるのでしょうが…白菜や角煮をときどき移動するより、所蔵品数十万点をもっと展示してほしいなぁ~

旅程のため夫が観賞を急がせたこともあり、1時間半ちょっとしか滞在できず心残りでしたが…

北院と合わせてまた1人でくればいいか(笑)

長くなるので…続きはまた明日!