のつづきで、展示品の紹介ばかりになります…
こちら、豪華な金メッキの蓋、縁に珊瑚、ラピスラズリ、ターコイズがはめこまれたチベット風茶缶だそう(チベット人は混ぜたバターティーを陶器のティーポットに注ぎ、熱いうちに飲むらしい)。
西洋女性を描いた、飾り窓風の装飾が掐絲琺瑯の間にはめ込まれています。
豪華絢爛すぎて、日本のわびさびとは真逆…
乾隆時代の琺瑯器は、画琺瑯や内填琺瑯、掐絲琺瑯などを組み合わせた品だけでなく、はめ込み式装飾まで加えられているからとてつもなく豪華です。
左の掐絲兼繪琺瑯多穆壺は、乾隆時代の七宝急須で、清朝時代の満州族がミルクティーを入れるために使用していたそう。
現代からは想像できない急須の形です…
右の金胎掐丝珐琅嵌画珐琅执壶は、乾隆様式の七宝水差しで、本体はゴールドで蓮の花が装飾されており、七宝焼きと絵付け七宝焼きの二つの技法が使われているそうです。
埋め込まれている七宝絵付けでは、西洋貴婦人や風景などが描かれており、真珠や珊瑚も散りばめられていて水差しとは思えないほど豪華です。
描かれている絵自体は西洋色が強いですが、それ以外の部分は中国風なのが面白いです。
飾り窓風の絵が描かれていると一気に華やかさUPですが、乾隆時代の品はどうも装飾が過剰に感じてしまう…
ゴールドの本体にエナメルが充填されており、本体の釉薬層がわずかに剥がれているのが金胎內填琺瑯番蓮紋碗(康熙款) 。
こういう品々が宮廷に並び日常的に使われていたことを想像すると、仕える人々は大変だっただろうなぁと考えてしまいます…洗うのとか、運ぶのとか、仕舞うのとか。
こちらの金胎掐絲琺瑯嵌畫琺瑯花鳥杯盤も、七宝焼きと絵付け七宝の2つの技法を使って作られているそう。
ちなみに、カップとプレートのセットは非常に貴重だそうです。
特殊な形状、安定した重心、難しい技術が使われた急須は周福の鳥を模倣していて、平和の歌を歌ったり、宴会や飲み物の際に使用したり、展示器として使用したりしていたそう。
こちら硯には見えない外見ですが、寒い冬にインクが固まるのを防ぐため、台の下のスペースにお湯や炭の灰を入れて使う「暖硯」と呼ばれる硯だそう。
ゴールドと色鮮やかな装飾、キラキラの絵が、ビックリマンシールのスーパーゼウスみたいでした。
唐の時代には、すでに現代と同じような急須があったんですね。
いろいろ凄すぎて感動が麻痺してきました…
清の時代に作られた翡翠製の急須には、実際に使用されるものだけでなく装飾的なものもあったそう。
南宋の器が美しすぎて溜息。
どれも形・色・デザインが素晴らしかったです。
青花嬰戲圖茶壺に描かれている子どもたちの表情が、穏やか&躍動感あふれる様子で素敵でした。
真っ白な翡翠を使った茶碗が美しい!
メノウ製の茶碗も美しくてうっとり。
左の2つは陶磁器だと思っていましたが、画像を見返していて琺瑯器と知りました。
日本のものも。
わずかに緑がかった翡翠を使った彫刻品。
雲龍仙鶴觚形瓶、仙鶴はどちらも白い翡翠で作られていて、その細やかな彫刻が美しかったです。
3階から観賞しましたが、建物の構造上、最後2階ロビーに戻るのが少し分かりずらかったです。
ただ、館内には従業員が大勢いて、とても親切に案内してくれたので快適に観賞できました。
南院では宋・明・清代の器を数多く見れましたが、スペースのわりには北院よりも展示品が少ない印象。
いろいろ事情があるのでしょうが…白菜や角煮をときどき移動するより、所蔵品数十万点をもっと展示してほしいなぁ~
旅程のため夫が観賞を急がせたこともあり、1時間半ちょっとしか滞在できず心残りでしたが…
北院と合わせてまた1人でくればいいか(笑)
長くなるので…続きはまた明日!