出雲大社から徒歩約10分の場所にある、島根県立古代出雲歴史博物館。この博物館には多くの国宝や重要文化財が展示されているため、きちんと見ると2時間以上はかかってしまいます。が、それだけ見る価値のある展示品が詰まった博物館です。
館内入口には、出雲大社の本殿がいかに大きいものであったかを物語る柱が展示されています。3本で1つの柱にしたという宇豆柱は、2000年に出雲大社拝殿の北側で発見されたばかり。鎌倉初期に造られたとされる直径約1.35mの杉の柱を3本束ねた形状で、当時はコンクリートなどなかったので、木を固定するために大量の石を敷き詰めたようです。
こちらは出雲大社本殿の模型。奈良・平安時代当時の1/10の大きさとなっています。現在の出雲大社本殿の高さは約24mですが、古代出雲では4倍の96mもあったといわれています。木材建築でそんな高さの建造物を建てることは不可能と考えられていましたが、2000年に宇豆柱が発見されて以降「実は巨大な空中神殿があったのでは?」と現実的に考えられるようになったそうです。
1983年に農道建設に伴う遺跡調査の際、調査員が一片の土器を拾い、翌年に谷の斜面を発掘調査したところ、1本50cmほどの銅剣が358本も出土したそう。銅剣は弥生時代のものらしいですが、長い間埋まっていたこと・状態よく発見されたこと両方に驚きです。
さらに翌年には、そこから7m離れたところで銅鐸6個、銅矛16本が発見され、出土した青銅器は全て国宝に指定されたそうです。
さらには1996年からの2年間で、農道工事の重機による掘削中に銅鐸39個が発見され、これも全て国宝に指定されたそうです。島根県内は掘れば掘るだけ国宝が出てきそう。
ちょっと珍しい銅鐸。上の辺りにウミガメの絵が描かれています(重要文化財)。
ツノが生えたシカ、イノシシか犬のような四足獣、トンボなど様々な生物、×が描かれた銅鐸(重要文化財)。
シカと×が描かれた銅鐸(重要文化財)。こうした生物が描かれているのは、生物と共生していた証。
こちらは銅鏡。出雲の国は邪馬台国?
こちらは古墳時代のものとみられる刀で、1925年に発見されたもの。今でも光り輝いているように、稀に見るほどの良い保存状態だと説明に書かれていました。
『古事記』内に、出雲大社の創建を物語る神話の記載があります。
『日本書紀』内にも、出雲大社の創建を物語る神話が記載されています。
さらに『訂正出雲風土記』にも、出雲大社の創建を物語る神話の記載があります。
常設展だけでも見どころ満載ですが、企画展も面白いのでオススメです。国宝・重文の展示品が大量で鑑賞するのは疲れますが、古代出雲を堪能できる素晴らしい博物館でした。古代出雲歴史博物館の詳細はこちら。