日本人にとって、サケ、マグロ、カツオは馴染みのある魚ですが、これらの魚にメチル水銀という危険物質が、他の魚に比べて多く含まれていることはあまり知られていません。
人の体内にも、金属の水銀と、アミノ酸と結合したメチル水銀がありますが、この二つのうち、毒性が強く人体に危険をもたらすのがメチル水銀です。
メチル水銀を大量摂取すると、まっすぐに歩けないなどの運動障害や感覚障害、知能障害が起こるといわれています。
過去には、メチル水銀の多量摂取によって水俣病が起こりましたから、危険性は周知の通りです。
しかしながら、日本人が好んで食べるマグロ、サケ、カツオについて、メチル水銀が含まれている危険性を厚労省は名言しません。おそらく、漁業関係者からの圧力がかかっているのだろうと思います。
ちなみに、何故サケ、マグロ、カツオなどに大量のメチル水銀が含まれるのかというと、サケ、マグロ、カツオは大型魚なので寿命が長く、小型の魚をエサにして成長していく中で生物濃縮が進んでしまうからです。
その結果、高濃度のメチル水銀を体内に蓄えてしまい、それを食べる人間に危険を与えてしまうのです。
こうしたことから、魚を食べる場合はメチル水銀の摂取量を抑えるために、大型魚の食べる頻度を減らし、その代わりにアジやイワシのような小型魚を食べるようにすると良いといいます。
とはいえ、近年は肉の摂取量の増加や放射能汚染が広がっている関係で、魚の摂取自体が減っているようなので、あまり心配は要らないのかもしれません。
ただ、もし食べる場合には大量摂取は控え、産地を選ぶなどの注意をしたほうがいいと個人的には思っています。
(参考文献)『「重金属」の体内汚染の真実』 大森隆史著 2010年