の続きです。
憲法 > 条約 > 日本の法律
砂川判決により、アメリカとの条約が日本国憲法よりも上位に置かれる法的構造が確立した結果、
その後多くの政策で、アメリカとの条約のほうが日本国憲法よりも優先されることになってしまいました。
本来であれば、最高法規である憲法を遵守すべき最高裁ですが、
その最高裁が内閣に隷属している状態のため、
内閣である日本政府はアメリカとの条約を優先し、日本に不利益となる政策を強行。
日本政府でありながら、国民の命を粗末に扱い、国民の健康を害す政策を続けています。
ただ、実際には「日本政府」を隠れ蓑にした、在日米軍と官僚がアメリカの利益となる政策を決め、
それを日本政府が遂行していると言うほうが正しいのかもしれません。
安保条約の条文は全部で一〇カ条しかありませんが、その下には在日米軍の法的な特権について定めた日米地位協定がある。さらにその日米地位協定にもとづき、在日米軍を具体的にどう運用するかをめぐって、日本の官僚と米軍は六〇年以上にわたって毎月、会議をしているわけです。
それが「日米合同委員会」という組織なのですが、(中略)、外務省北米局長を代表とする、日本のさまざまな省庁から選ばれたエリート官僚たちと、在日米軍のトップたちが毎月二回会議をしている。そこでいろいろな合意が生まれ、議事録に書きこまれていく。合意したが議事録には書かない、いわゆる「密約」もある。
(中略)
しかもそれらは、原則として公表されないことになっている。(p50)
「日本のさまざまな省庁から選ばれたエリート官僚たちと、在日米軍のトップたち」の会議と聞くと、
軍事面に関することだけが決められていそうですが、
日米合同委員会で決められていることは、軍事面以外にも及びます。
おそらく「日本のさまざまな省庁から選ばれた」官僚が、
各省庁の利権を維持しつつ、
米軍およびアメリカの利益となるような日本の政策を、決めているのだろうと思います(「密約」も含めて)。