『日本国憲法』に記された基本的人権と自由の重要性

数か月前から読み始めた『日本国憲法』(講談社、2013)。

それまで憲法は特定の条文以外まじまじと読むことはありませんでしたが、

植木枝盛氏(高知の思想家、政治家)がつくった草案に近いと知って以降、ネットで少しずつ読み始め、先日文庫本を購入。

人権意識が低いうえ、自他の境界線が曖昧な人が多い日本社会において、

個人を尊重するために特に重要と思われる条文を抜粋。

第11条【基本的人権の享有と性質】

国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。

第12条【自由・権利の保持責任とその濫用の禁止】

この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第13条【個人の尊重と公共の福祉】

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第14条【法の下の平等】

すべて国民は、法の下の平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

第19条【思想及び良心の自由】

思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

第21条【集会・結社・表現の自由、検閲の禁止、通信の秘密】

集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。②検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

第25条【生存権、国の社会保障的義務】

すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

第97条【基本的人権の本質】

この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

上記条文を読むと、基本的人権に関して繰り返し表記されているのが分かります。

これはそれだけ、過去ないがしろにされてきた(今もされている)権利であるがゆえ、

今後も守り続ける努力と、権利を侵されないように監視する必要がある、と示しているように思えます。

また、上記条文を繰り返し読んでいると、高知市立自由民権記念館で見た「生きて奴隷の民たらんよりは死して自由の鬼たらん」という言葉が浮かんできます。

日本国憲法には、国民をないがしろにしている日本政府の言動・行動からは信じられないほど、国民の権利や自由、義務が明記されています。

そして内容を見ると、現政権がいかに憲法に違反した行為を行っているかも分かります。

ただ、現状の日本では国の最高法規といわれる日本国憲法よりも、

日米合同委員会で決められた膨大な決定事項(密約含む)のほうが、効力を発揮する仕組みになっているそうです。

なので、現憲法は国民を守るとても重要なことが書かれているものの、アメリカや多国籍大企業にとってはあまり重要ではないのかもしれません。

それでも今以上に、国民の人権や自由を制限させないために、現政府による憲法改悪は止めなければいけないと思っています。

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