『日本が売られる』⑦国のインフラを民営化してしまった国の末路

の続きです。

引き続き、『日本が売られる』(堤 未果、2018)から引用します。

アメリカ政府はバイオメジャーであるアグリビジネス企業を使いながら、下記の方法で、各国の農地を遺伝子組み換え作物しか育たない土地へと変えていきました。

90年代半ば、膨れ上がる財政赤字と経済活性化のために「国のインフラ民営化と、農業の成長産業化が必要だ」と力説したアルゼンチン政府は、国内産業を保護していた既存の体制を次々に解体し、バイオ企業の社員を大勢入れた政府の諮問委員会が、遺伝子組み換え大豆の栽培プロジェクトを進めていった。(p45)

2000年以降に、日本でも次々と規制緩和が行われましたが、それが原因で社会が荒廃し、現在も荒廃の一途を辿っている、と言っても過言ではない気がします。

企業による遺伝子組み換え種子の作付けが始まると、その範囲はじわじわと拡大してゆく。(p45)

例えば風で花粉が拡散すれば、着地した別の畑で企業の特許がついた遺伝子組み換え種子が勝手に芽吹き、後日企業に使用料を請求されることになる。(p45)

その後、

農地規制が緩和され、外資が土地を買い占めると、伝統的な農業は解体され、巨大な遺伝子組み換え大豆畑が作られる。その大豆だけが耐性を持つ除草剤の空中散布によって、周辺農家の作物は全て枯れ、農薬漬けになった土が使えなくなり農家が廃業すると、企業はその土地を最安値で買い上げ、遺伝子組み換え大豆を植えるのだ。(p45)

こんな滅茶苦茶なことをまかり通すのが彼らのやり方で、どんどん農地が侵略されてしまうのです。

『日本が売られる』⑤経済の原理に乗せられないものは、国で守らなければいけないでも書いたように、今後日本でも上記の流れが行われてしまえば、外資に農地を奪われ続けて、取り返しのつかないことになります。

アルゼンチンでは上記の流れで、

お払い箱になった何十万人もの農民が、土地を失い、経済難民となって、都市部のスラムに流れていった。(p45)

それは、

GPSで遠隔操作できる機械設備や、ドローンを使う最新型の遺伝子組み換え大豆畑には、人間のの労働力はほとんど必要ない(p45)

からです。

アメリカにゲームを仕掛けられる前のアルゼンチンは食の多様性を誇っていたが、国内の畑が遺伝子組み換え大豆一色になった後は、経済不況時に飢餓で死ぬ国民が続出した。(p45)

そんな現実を、日本で迎えたくありません、、、

が、現状では上記流れになりつつあります。

世界の種子のほとんどを支配するようになった、バイオメジャーのアグリビジネス企業各社は、一国ごとに参入するやり方から、さらに効率的なやり方に進化させているからです。

それが、各国の憲法や法律を超越して市場を拡大できる、「自由貿易体制」というやり方です。

1995年に設立されたWTO(世界貿易機関)によって、このやり方が推進されました。

人類の生存と主権国家の経済基盤であるはずの「種子」は、「知的財産という商品」になり、遺伝子組み換えであるなしにかかわらず、種子開発と特許取得を競う巨大なゲーム(p46)

に組み込まれてしまったのです。

異常気象が引き起こす価格高騰も輸出制限も、アグリビジネスの世界では、全てチャンスとみなされる(p51)

ということは、自然災害大国かつ島国であり食糧自給率が低い日本は、現状のままでは、諸外国に比べて食の主権を失いやすい状況だといえます。

食の主権を失った国の国民が、輸出国や種子を売る企業に依存して弱い立場になる(p52)

ことは、モンサント社があったアメリカ(2018年ドイツのバイエル社に買収された)に対して服従しているアメリカ大陸の国々を見れば、一目瞭然かと思います。

このままでは世界の庶民の大半が、同じような立場に置かれてしまう気がします、、、

そうさせないためにも、おかしいことにはおかしいと声を上げることが不可欠だと今強く思っています。