「明治の重税」で庶民の生活は貧しくなった

江戸時代庶民の暮らしは豊かだったが、明治以降徐々に貧しくなったでも書いたように、

明治時代は、江戸時代よりも庶民の暮らしが貧しかったと認識しています。

藩によって多少の差はあったと思いますが、江戸時代は基本的に豊かで、明治時代も初期まではそこまで貧しくなかったといわれています。

しかしながら、その豊かさは明治時代中期以降、軍事化が進むにつれて崩れ去っていきました。

というのも、軍事化するためには列強諸国から軍艦や武器を大量購入するための資金が必要で、

そのためには地租改正を行うなどして国民に重税を課す必要があったからです。

ただ重税だけでは足りなかったのか、福沢諭吉の考案で、外貨獲得のために数万~数十万人規模で子女を海外へ売り飛ばしたことも分かっています…

当時、国民の大半は農民であり、地租改正による重税によって生活は一気に貧しくなっていきました。

そんな状況下で多くの農家は長男以外は食べていけなかったため、兵士になるか、奉公に出るか、出稼ぎ、身売りするなどして、自宅で稼げる仕事がない限り、家を出ていかざるを得ませんでした。

騙されて北海道へ開拓へ行き、非人道的な労働環境で酷使されたり、人身売買で海外へ売り飛ばされたりしたのもそうした境遇の人々が多かったようです。

そんな重税による農民の減少により、少しの自然災害でも飢饉が起こりやすくなっていたのだろうと想像します。

実際、明治時代には東北地方を中心に6度の飢饉が起きています。

そんな状況下で戦争が重なり、兵士として多くの庶民が亡くなった後も、日本政府は軍事化を止めず、庶民も巻き込んだ戦争へと発展し、それが1945年の終戦まで続きました。

富国強兵ではなく貧国強兵、そして後に貧国弱兵となってしまいました…

食べ物だけでなく物資自体が不足していたので当然だろうと思います。

つまり明治以降、地租改正で得た税金の多くを、明治政府が軍事力増強のためだけに使ったことが、

庶民の生活を悲惨な状態にまで追い込んだといえる気がします。

地租改正で得た税金を庶民の生活が潤うように還元する、もしくは重税を課さずに減税していれば、庶民の生活はまだマシだったはず。

義務教育では明治以降の歴史をほとんど教えませんが、それは現政府に都合の悪い内容を含んでいるからだろうと思います。

しかしながら真実を知らなければ、歴史から学ぶことができないため、当時と同じ過ちを繰り返す可能性が高い。

情報操作して庶民に重税を課し続ける現政府の行為は、当時と同じように見えます…

現政府や社会の支配層に、当時と同じような過ちをこれ以上犯させないよう、

庶民は言うべきこと言い、論ずべきこと論じ、声を上げるべきこと上げていく必要があると思います。