現代教育では、話す時は「相手の目を見て話しなさい」と教えられます。
「相手の目を見て話すことが礼儀」という価値観が、この社会の共通認識になっているからだと思います。
ただ昔から日本には、「話す際に相手の目をじっと見てはならない」という作法もあり、相手の目を覗き込む行為は無作法だとする社会もあるようです。
そのため、現代日本人が相手の目を見て話すことに苦痛を感じる場合があるのは、そういう価値観の社会に長い間属していた親族もしくはご先祖様がいる可能性もあります。
昔は村によって、風土も慣習もかなり異なっていたようなので、相手の目を見ないことが礼儀という価値観をもつ社会があっても不思議ではないはず。
一方、欧米にも見ず知らずの人・関係無い人の目を覗き込んではならない、というマナーがあるのだそうです。
とすると、昔の日本だけでなく、相手の目を見ないことがマナーになっている社会が世界には結構あるのかもしれません。
そんなわけで、「相手の目を見て話すのが礼儀」という思想をもつ外国人が「日本人は相手の目を見ないから失礼」とか、日本社会の教育者が「目を見ないで話すのは失礼だ」と一方的に決めつけるのは、相手の文化・バックグラウンドへの配慮が足りない気がします。
とはいえ、今のところ多くの社会では「相手の目を見て話すことが礼儀」という価値観が共有されているので、目を見ないで話す価値観はなかなか受け入れられそうにないですが…
それでもそんな価値観もあることを知った上で、無用に相手を無礼な人だと決めつけない心の余裕を持ちたいです。